ふわりふわり

私は

たくさんの兄弟と一緒に

お母さんのもとを離れたの

小さな小さな、大冒険

暖かな優しい風に包まれて

ふわりふわりと空を舞う

風に乗っているうちに

ふわり、僕はここにする

お兄ちゃんが降りて行く

ふわり、私はここにする

お姉ちゃんも降りて行く

ふわりふわりと兄弟が

次から次へと降りて行く

いつの間にか

一人ぼっちで、ふわりふわり

私はどこにしようかと

ふわりふわりと空を舞う

突然風が止まるから

私は硬い道の上

ふわり

ここでは咲けないわ

緑の地面に降りたいの

私は一人じゃ動けない

わずかな風が私を押して

ふわり、道の割れ目に落ちた

私はそっと目を閉じた

寒い冬を越えたあと

ポンっと緑の芽を出した

硬い道の割れ目から

ぐんぐん伸びた緑の芽

ふわり

私は、ふわりじゃないわ

黄色の花を咲かせたの

そして私も綿毛を飛ばす