母国の王子に婚約破棄された公爵令嬢ですが、辺境の地で自由気ままにスローライフを送りたいと思います

七瀬いすず

序章 物語の始まり

プロローグ 

 突然だが、私(楠原くすはら真央まお)は、若くしてこの世を去った。

 原因は、横断歩道を渡っていた子供を咄嗟に庇い、普通乗用車にはねられたのだ。そのあとの記憶は無く、微かに救急車のサイレンが聞こえただけ。

 そして、今は創造主と名乗る神様の前に正座している。


 「運が悪かったな。でも、お主がしたことは良いことだ。庇った子供はかすり傷だけで済んだみたいだぞ」

 「そうですか。良かった」

 「さて、本題に入るとしよう。お主、異世界に興味はあるか?」

 

 異世界か。漫画とかによく出てくる世界なら行ってみたいかも。


 「あります。因みにどういう世界ですか?」

 「魔法が存在する世界じゃ。転生先はとある王国の公爵令嬢。悪くはないだろう?」

 

 とある王国の公爵令嬢。お金持ちだ。


 「良いですね。でも、何で私を?」

 「良いことをしたご褒美だ。ついでに特殊能力も授けてやるぞ」

 「特殊能力? どんなものですか?」

 「紙に描いたものを具現化する力じゃ。まあ、創造の力だと思えばよい」


 紙に描いたものが具現化される。それなら不自由しない生活が送れるかも。


 「分かりました。転生させてください」

 「よし。では、いくぞ」


 自分の体が白く光った。力が授けられた気がする。


 「ついでにステータスも上げておいた。今度は何があっても死なないだろう」

 「ありがとう御座います」

 「それでは行ってくるがよい」

 「はい!」

 

 こうして、私は異世界へと旅立った。

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