整理
今日こそは今日こそはと強く念じながら、パンが焼けるのを待つ。
今日は警察との証拠のすり合わせだ。こんな朝早く(5 a.m.)に電話がかかってくることは絶対にない。
チーーーン
パンが焼けた。
この素晴らしい朝に自分の思考を片付けようと思い、パンを食べながら思考の浅瀬に飛び込む。
今回の事件の犯人は芦渡さんだ。これは間違いないと思っている。間違いない。芦渡さんの部屋から見つけた手紙から裏付けることができる。
では、芦渡さんを脅し、薬を渡した犯人は?Disablyxinは通常のルートでは手に入ることができない毒薬だ。風紀委員会が量産しようとしたのは一部の暗部から没収した物を解析して作り出せたからに過ぎない。捕まえた奴らがクロウが作ったと漏らしたおかげで今、クロウの徹底捜査が行われている。
そもそも、黒幕はどんな奴だろうか?
まず、芦渡さんの住所を知っている人が挙げられる。そのうえで、芦渡さんの秘密を知っている人物だ。
芦渡さんは黒幕の正体を知っているのだろうか?
いや、そもそもクロウの関係者が芦渡さん周りにいたか?
あと、山本のカチューシャはどこにいったのか。
ジャムを取りに行こう。
今日はオレンジママレードにしよう。
うーん、美味しい。
どこまで考えたっけ。ああ、カチューシャまでだ。
七つのカチューシャ。色は知らないが、事件当日に一個、山本の部屋には一個もなかった。
唯一、カチューシャはが隠されていそうなのは、ベッドの天蓋だが、
ベッドの天蓋に隠してあるわけはないだろう。天蓋に一瞬でも隠されていると思った者は小説の読みすぎだ馬鹿め。
あのベッドの天蓋には何か仕掛けがあった跡は見当たらなかった。毎週7個のカチューシャをとっかえひっかえしていたら、天蓋の仕掛けは絶対に痛み、傷んだ跡ができる。その跡が無かったからあそこにカチューシャが無いことは明白だ。少しだけ動かしてみたし。
だとすると、山本のカチューシャはどこに隠されているのだろうか。
まぁ、山本が目を覚まさない限り分かることはないだろうな。
ミルクティーうめぇ。
朝4時に起きて、わざわざミルクパンで作ったかいがあったわ。
出来れば、芦渡さんが黒幕の名前を喋ってくれてないかなー。
そういえば、あいつらに連絡するのを忘れていたな。あとで、電話してみるか。
やっぱりママレードはオレンジだよなー。
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