「空白による夭死」に関する資料群
末松 格
1 視線
いや、はや。遅れてしまい申し訳ない。
何しろ、ね。
ええ、早速本題へ移りましょうか。
そうですね、どこからお話しましょう。
では、「視線」に関するお話について、ご存知ですか?
人は話すとき、目を見て話します。
聞くときも、目を見て聞きます。
目を合わせる、これは相手に興味を持っている、ということを伝えていますね。
あなただって、私の目を見て聞いてくださっている。
嬉しいですねえ。こんな方がいると、寿命が伸びる気がします。
ありがたい言葉です、身に余る。
むしろ、申し訳ない気がしますね。ええ。
さて、この話は人にだけ当てはまるものだと思いますか?
例えば、イヌではどうでしょう。
名前を呼べば、振り返ってこちらを向く。
こちらに興味があるからこその行動です。
興味がなければ無視するでしょうし。
かわいいものですね。
では、幽霊ではどうなのでしょう?
こんな話をよく聞きますね。
幽霊にあったら、気が付かないふりをしてやり過ごせ。
あいつらは、自分が見える人を探しているんだと。
私はあながち間違っていないと思います。
理由ですか?また、後ほどお話します。
このように、視線には多くの意味があります。
そして、強大な力が宿っていることもあります。
実際、世界中の様々な民族で「邪視」なるものが伝わっているそうです。
ええ、邪視。強い悪意をもって相手を睨みつけると、相手は呪われてしまうそうです。
呪いの種類も様々ありますが、これは実践しやすい方法なので広まったとも言えますね。
話を戻しましょう。
多くの意味を持つ視線、強大な力を持つ視線。
視線は世界中にあります。言ってしまえば、意思さえあればどこだって存在します。
例え夭死してしまった人でも、動画や画像にだって視線は残り続けます。
なるほど、そうですね。文書だったら…
確かに、考えてもなかった。明確には分かりませんが、憶測なら。
おそらく、読者が視線を想像していたら効果はあると思いますよ。
いやあ、やはり年の離れた人と話すのは良い刺激ですね。
おっと、良くない癖です。どこまでお話しましたっけ。
ありがとうございます、では続きを。
夭死した人が強い悪意で睨んでいる動画や画像、文書が世界中に出回ったとしたら?
被害は凄まじいでしょう、本人は知る由もないでしょうが。
ん?あぁ、つい。
綺麗な目だと、見とれてしまいました。
「空白による夭死」に関する資料群 末松 格 @suematsukaku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。「空白による夭死」に関する資料群の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます