第2話 わたしの力だけでは
この一と言う数字に少し疑問がある。私は生きてきた中でも。とりわけ一と言う数字に拘りをもってきた。たとえば、リレーなんかで一位をとるとか、世の中の数字というものは、いつも私を拘らせた。
しかし生まれ変わったところで自分の人生はそう変わらないことを、私は人生の中で、何回も端を折ってきた。この場数を踏んで来た私にとって大した障害ではない。
しかし、人生と言うものはつまらないな。と、何度も思う。きっとこれまでも、そしてこれからも、思うのであろう。
私の明日は暗い。それでも日が昇るというのなら少し、背を伸ばしてまで人生の人生を変えて行く。
そこに明日がある限り。
私の人生とは時に月よりも長いのだ。あの月よりもだ。だからこそ、私の人生は幸運だとも思える。今は、そう思うしかない。実際には違うのだから。きっと、この世に生まれたからには、人生とは何回でも壁を越えるためのハードルなのかもしれない。
しかし現実とはそう甘くはないもので、何度も壁にぶつかった。私は両親と里親、夫や子ども、と失ったものが多すぎる。
悪魔にでも魂を、売りたい気分だ。
そう沈んだ。気持ちを昂らせるために薬物にも手を出したが長くは続かなかった。
普通に依存するものなのに。
私には、お金がなかった。
明日、買うためのお金もない。
私はドラッグを辞めた。
それを私はある精神科に入ったとき、口にしたがそれでも、満足せず、やはり通院したい気持ちを抑えて、宅に着いた。
やはり私はドラッグをやめる。明日のパンを買うために。
しっかり、目標を決めて。私はやはり水商売には手を出さなかった。この手を汚したくなかったからだ。やはり私は生きていくなかで、自分のことはしっかり見えていたのだと思う。子どもも夫も失ったけど、まさかそのあとに、親も里親も失うことになるとは思ってなかったけど、それでも、けっこう頑張った方だったから報われて欲しかった。
ただそれだけ
それだけで私は生きる価値があった人生を送れたと思うと。やはりやりきれない自分がいた。
赤い翡翠 狭霧 @kuirut
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