僕の肛門括約筋は異次元だ

ひも

第1話どうせ私は社会の糞だ

白い空 青い湖 こんなにも素晴らしい世界には私という哀れな生き物はいる 血の匂いを嗅いだピラニアは獲物を離さないように、己という存在を理解した私は親のスネにかじりついて離さない そんな自分に嫌悪を抱き、さらに行き場のない憎悪は心に溜まっていく 当然、心にも容量というものがあるのだ

ふとした瞬間に私の心はパンと音を立てて弾けた 水を入れ続けた風船のように

「れい〜 ご飯ここに置いておくわよ」

「……」

「黙ってないでよ あんたもそろそろ自立しなさいよ もう23になるのよ? 中学校時代のことなんてもう水に流して…」

私は勢いよくドアを開け、母の頬を殴り飛ばしていた。 母の頬は夏の勇敢なカブトムシ2匹を互いに押し付け合い、とうとうどちらのカブトムシも絶命してしまったかのような音を立てた 意識は当然無くなっている イライラしたのだ 中学校時代 私は朝っぱらにお菓子と強力な下剤を間違えて服用し、昇降口前で盛大に漏らしたのだ 水に流したかった あと少し進めばトイレがあったのに… 母は私が水に流せなかったことを知っていたのに水に流せといい、挑発しているかのように思えたのだ しかし私は後悔した 私の生命線はこの家であり、家の中で最高権力者、つまり女帝である母を殴り飛ばしたのだ 当然父(国王)が帰ってきたら私(動物園のお猿)は処罰される 処罰 つまりは家を追い出され最悪の場合逮捕 そうなるくらいなら私は家を出る 私は家の外にいるポチ(側近)に睨まれながら10年振りの外の世界に足を運んだ

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