第25話

「それ、本当っ…?」


「うん」


「変わらないっ…?」


「変わらないよ」


「あとでっ、やっぱ無理って言わない?」


「言わないよ」


「結婚っ…してくれるのっ…」


「……俺が、してほしいんだよ」


「っ」




日和の荷物も一緒に背負うよ。


縛ったっていい。

重くたっていい。



それ全部ひっくるめて、日和だから。




「ばかっ…」


「ごめんなさい」


「許さない」


「え」


「嘘、大好き」


「っ」



日和がぎゅうっと俺の首に手を回して抱きついてきた。



その香りを感じた瞬間、嗚呼この人じゃなきゃ駄目だって体中で感じた。



俺が求めてたのは日和なんだ。


仕事ができて、頭がよくて、俺の先生で、憧れで、かわいい彼女のこの人なんだよ。



結婚することで君がそばにいてくれるのなら、それはとても幸せなことだ。


それに気づくのにだいぶ遠回りして、時間がかかってしまったけれど、また日和の寛大な心に許されて、

それでも俺は…なんだかそれが愛しいほどに嬉しい。



もう一度日和の背中に手を回したら、愛しさが何倍にも増した。

笑顔も溢れた。



気持ちが溢れることを恥ずかしいなんて、もう思わないよ。

焦ってたことも、日和に憧れてたことも、どうかすべて受け止めてほしい。




“なんだそんなこと気にしてたのか”って。

日和は笑い飛ばしてくれるような、そんな気がするから。

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