第15話

「はーっ…う」




ふらっふらになりながらもなんとかタクシーで家の前まで帰り、マンションの階段を一段一段ゆっくりと上った。



飲み会の時間、約2時間。

ひたすら飲みまくってた。


二次会でカラオケで朝まで行くぞって他のやつらははしゃいでいたけど、俺はもう無理。


さすがに飲みすぎた。

気持ち悪い。吐きそうだ。



でも、酒のおかげで日和のことを考えずに済んだ。

溺れそうになった。

考えすぎて、落ちるところまで落ちてしまいそうになった。


だけどそんなのは、このアルコールで全部チャラだ。



もし日和が家にいて、今こんな俺を見たら、きっとすごく呆れた顔をしてちょっと乱暴


に水を差しだしてきそうだ。


そんで言うんだ。



――『馬鹿だね、颯ちゃん』




って。







「っ――」






もう、なんだこれ。





「ほんと…ばかっ…」



酔ってるはずなのにさ。


考えなくていいはずなのに。


考える余裕なんてないはずなのに。



3ヶ月も経ってるのに。

俺から断ったのに。



何もかも手放したのは、俺だったのに。




なんでなんでなんで、こんなに頭ん中…日和ばっかなの――。

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