君を愛した時

第1話

結婚して3年。


マンネリ化…っていうか付き合って5年で結婚して8年も一緒にいれば、

もう行きたいところも、したいこともだんだんなくなっていくわけで。



今日もまた、休日を持て余していた。



「集」


「…ん」


「起きないの?」


「んー」



彼女の言葉を軽く受け流してベッドの中で携帯をいじる。


気づけばもうとっくにお昼はすぎていたけど、起き上がる気力はまったくなかった。


そんなぐーたらな俺を見て、彼女は大きくため息をついて寝室から出て行った。



彼女の名前は紫。

“紫”と書いて“ゆかり”。


紫と出会ったのは大学1年生の時。


漆黒のサラサラとした長い髪と、すらっと綺麗に立つ姿勢が綺麗で、

なんとなく目が離せない存在だった。


“紫”という名前がとても似合う女性。



付き合い始めたのはそれから1年後の話。


不釣り合いだとはわかっていながら決死の思いで告白して、

彼女はめったに見せない笑顔で頷いてくれた。



あの頃は、何もかもが輝いて見えていた。


何をするのも楽しくて、

大学を卒業して仕事が始まってからも順調で、

3年前に結婚して、



それがいつの間にか…こんな風になっていた。

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