第13話
「宝物みたいに大事にされてた」
「………」
「あんな風に優しく触られたのは初めてで、それが心地よくて、だから…きっと一生忘れられないよ」
雪枝の髪を、夕方の風が優しく撫でる。
そんな雪枝を腕に抱き、自分に問いかけた。
俺も。
俺も…ちゃんと覚えてる。
好きになった日。
告白した日。
デートした日。
キスした日。
キス以上のことをした日。
今になって思う。
あの時の一瞬一瞬を切り取れば苦しくなるほど、
苦しくなるほど、
雪枝はいつも笑ってた気がする。
照れて、笑った。
楽しくて、笑った。
泣きそうに、笑った。
痛そうに、笑った。
笑った…というか、
笑っててくれたのかな…。
雪枝が笑ってくれると、俺も楽しくて笑っちゃう。
ねぇ、
それ知ってて、雪枝は…笑ってくれたの?
「雪枝っ…ごめんね」
一度でも雪枝を疑ったこと。
一度でも雪枝を嫌ったこと。
それは紛れもない事実。
もみ消したい。
その罪は消えないけど、雪枝に話すのは怖くて言えないけど、
やっぱり俺は、雪枝が好きだ。
大好きだ。
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