第47話

「先輩私…」


「ん?」


「ハイジャンの地区大会のメンバー…落ちちゃいました」


「え?」



先輩の表情が少しだけ変わった。


私は俯いたまま話し続ける。



「まだ1年生だし、うちはハイジャンも強いからメンバー入りするの大変だから仕方ないのわかってるんですけど」


「………」


「どんなに高くジャンプしてみても、誰より練習してみても、やっぱり私は…もしかしたら……」




――私は…先輩のようにはなれないんじゃないかと思うんです。





そう言いたい気持ちを飲み込んだ。



恥ずかしくて、悔しくて、弱い自分が嫌で嫌で仕方がなかった。




ハイジャンのメンバーはみんな体格に恵まれていた。


身長も高くて、ジャンプ力もあって、悠々と160センチを飛び越える人がほとんどだった。



でも私は155センチを飛ぶのがやっとで。



「フォームも汚いって中学の時以上に怒られて、身長のこともあって、短距離に戻したほうがいいって言われました」


「………」


「でも実際短距離も大会にいけるレベルかって聞かれるとまた微妙なとこで」


「………」


「す、すみませんっ、こんな愚痴を聞いてもらうはずじゃなかったのに」



気づけば私はへらへら笑いながら、何度も何度も自分の短い髪を触っていた。



私は、私は本当は、





いろんなところにコンプレックスがあるんです。




すべてが中途半端で、いくら頑張ってみても結果に繋がることなんて一度もなかった。



内面にも、もちろん外面にも全然自信なくて。


結局身長もまったく伸びないし、日焼けした肌も、ぼろぼろで小さな手も、色気のない体系も、この声すら…すべてが嫌になるときがあった。



本当はさっき喫茶店に入りたくなかったのは、先輩があの人と一緒にいた場所に入りたくなかったわけじゃなくて、ジャージ姿であのオシャレな場所に入ることを躊躇ったから。

今更ジャージできたことを後悔していたから。

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