第21話
『他人…?』
「そう」
私はもう、1人じゃない。
『雪路は…それでいいの?』
「いいっ…っ」
それにやっと気づいたから。
――“いつもありがとね、雪ちゃん”
あなたのおかげで気づけたから。
だから、
『友達ですらないってことだよ?』
「…わかってるっ、けほっ」
もうやめて。
もうそれ以上話さないで。
『雪路、今どこ』
「…っ、言えない」
これ以上離れ難くしないで。
『どこだよ』
「うるさいっ…」
『雪っ…』
「もうっ…っ名前呼ばないでっ」
『………』
「もうっ…こほっ、苦しいからっ…」
喉痛い。
体が痛い。
心が痛い。
「もう終わりにしたいっ」
残酷だと思われるだろうか。
でも、それでも仕方がない。
だってこれは、
“別れて。他に好きな人ができた”
これは、
・・・
あなたが選んだ道だ。
『…わかった』
例え私があなたを好きだとしても。
あなたが先に、私と離れることを選んだの。
『他人になろう』
ねぇ彼方。
私は彼方にそう言われた時、どんな顔をしてたでしょうか。
「ありがとう…」
ちゃんと笑えてたでしょうか。
だってあなたはあまりにあっさりといつもの軽い口調で別れを告げたし、
――最近2人の間に恋人らしいことは一切なくなっていたし、
あなたの心がもう私のものではないと気づいていたのだから。
だから私も、あっさり笑えてたはずだ。
私の心も、もうあなたのものではない、と。
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