第5話
乾いた苦笑いをする私を余所に、中原君は落ちたPSPをマジマジと見つめていた。
そりゃあもうなんとも言えない無表情で。
ひー、もうお腹痛い…!
「これ、栗原の?」
「私以外に誰がいますかね」
「………」
中原君は私を見ずにそう尋ねると、PSPを拾って勝手に決定ボタンを押し始めた。
「ちょっ…」
「これって恋愛ゲームってやつ?」
「そ、そうです!てか勝手に決定ボタン押さないでくださいよ!!」
その先私だって知らないのにーっ!!ってそーゆー状況じゃないんだってば…!!
「へー。あんたってこーゆーゲームやる人なんだ?」
「そうっすよ私は無類のゲーム好きなんです。だからお願いします返して下さい」
「開き直ったね」
「………」
もうどうにでもなれ。
どう思って私は鞄の中からたくさんのゲームカセットを出して中原君に見せた。
さよなら、私の3年間…。
中原君は泣きそうになる私にPSPを渡して、そのカセットを興味深そうに見つめる。
「すごー…あ、ぷよぷよあるじゃん」
「ぷよぷよ?私めっちゃ強いですよ?」
「昔結構やってた。最高7連鎖したことあるよ」
「ほー」
果たして最高7連鎖ってすごいのか…?
イマイチ微妙な数字だ。
「これは?」
「『危機一発』!パチンコゲームですよ!!」
「楽しいの?それ。これは?」
「『着せ替えゆかちゃん』」
「……これは?」
「『納豆ネバネバ選手権』」
「………(マニアック…)」
他にもいろんなゲームが合ったけど、
やっぱり一番中原君の目を引いたのは恋愛ゲーム。
なにせ数がすごいから。
「今、いろんな種類の攻略があるから、ついあっちこっちの彼氏に会いたくなっちゃって」
「彼氏って…」
「戦国武将とか、芸能人とか…中でもお気に入りはこのゲームなんです」
「これ…?」
中原君が私の持っているPSPのカセットを指さす。
「なんで?」
「だって名前がケイ君だから、まるで中原君を攻略してるみたいで」
「俺を…?」
「そうそ……」
「………」
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