カエルム

つー

始まりの出会い

第1話 祈り

「将来、何になりたい?」


こう質問された時、多くの子どもはこう答える。


神奴ドゥーロス!」


と。


この職業は神に力を授かった者がこなせる職業で基本的に魔獣と呼ばれる神に敵対する獣を殺す役割をこなす。


※因みに力を授かるとは世界の全員が義務教育が終わるタイミングに教会に向かい『祈り』を行うことで『神の加護』を授かるというものだ。


命を落とす危険もある職業であるため神奴になる大人は少ないーーなんてことはなく力を授かった者は必ず・・神奴になる。

そう、必ずだ。

力を授かった者は日本の場合必ず東京にある養成学校に受験もなにもなしで入学させられる。


なぜならこの世の中は狂っているからだ。

異常なまでに神を信仰し、神に命じられれば何だってする。


そう、まるで神の奴隷だ。


神の奴隷は神に命じられればなんだってする。

本当に、なんだって。


だから俺の母親は死んだ。


◇◆◇


俺たちは、教会にならぶ。

そして校長のつまらない演説を聞く。


『ーー。ーーーーー。今から貴方たちが向かう場所は神聖な場所です。必ず一言も喋らず祈りなさい。さすれば、貴方も神々の素晴らしい力が得られるでしょう。どうか貴方たちに神々のご加護が在らんことを。』


そうした演説を聞いたあと俺たちは教会に入っていく。

パイプオルガンが鳴り響く中A組の生徒から順番に触っていく。


(次は神父の話…。どれも同じようなことをずっと繰り返し言っている。)


まるで、洗脳でもしているかのように…。


しばらくして神父の話が終わった。


『それでは、祈りの時間です。1人ずつ名前を呼ぶので前に出てきてください。』


また、長い時間待たなければならない。


(本当につまらないな…。)


そもそも今回の祈りは俺らのような平民に期待などされていない。

ここに首席で入学し、首席で卒業した早乙女 美咲。

同じく入学以来ずっと次席を維持してきた水無瀬 翠。

他にも成績優秀者や血筋のいい家系の者はおおいな期待をされている。

そんななか俺は絶対に選ばれるわけがない。

そして選ばれるわけがないこの祈りは俺にとって退屈ならないものだった。

途中から諦めて寝ながら待つことにした。


『リアン・ロベス!前へ!』


寝ていたら、呼ばれた。


「はい。」


俺はだるい体を起こして壇上に上がる。


『他の人の間も祈りとは、感心しました。貴方の身に神のご加護が在らんことを。』


「…ありがとうございます。」


眠っていた姿勢が祈っている姿勢に見えたのか…。アホだな…。

正直戦場に行こうが行かなくなろうがどちらでもいい。

俺は面白かったら・・・・・・それでいい。


そう思いながら俺は壇上で膝をつき祈りの体勢をとる。


(面白い系の加護…というか力ください。…面白い系ってなんだ?)


テキトーに祈っている。

これでおれに加護が来たら笑いも…。


「!?」


突然、暗くなった。

視界は目を閉じていたため元々暗かったがそれ以前に体がどす黒いモノで覆われている感覚に襲われた。


思わず目を開ける。


「これは…。」


俺はどこが床かわからないほど暗い場所にいた。


『よお。』


後ろから声をかけられた。

振り返るとそこに豪華な椅子に座った黒い何かがいた。


「…貴方が神ってやつですか?」


『ああ、そうだな。テメェらはそう呼んでな。』


「…妙な言い方をしますね。」


『そらそうだ。俺らは自分を神なんて思ってねぇし勝手にテメェらが呼んでるだけだ。バカだよなぁ。』


「…じゃあ、貴方はなんなんですか。」


『その質問する前に気色悪りぃ敬語やめろ。神なんか信じてねぇ癖にんな真似してんじゃねぇよ。』


「…わかった。それで、お前らはなんなんだ。」


『あーそうだな。お前らのとこの言い方だと…宇宙人だな。』


「宇宙人か。」


『ああ、そうだ。…驚かねぇんだな。いや、あのクソ野郎の息子なんだしあたりめぇか?まあいい。そんなことより俺は契約をしにきたんだ。お前、俺の力を使う気はないか?』


「待て。俺の父親について知ってるのか?」


『てめぇにそんなこと聞く資格はねぇよ。今はな。クソ弱いからな。』


「は?」


『キレんなって。ククッ。あーそうだな。今思いついた。俺と契約して俺の願いを聞き届けたらお前の親父について教えてやるよ。』


「勝手に話を進めるなよ。」


『よし、この内容で決まりだな。じゃ、帰っていいぞ。』


「だから、勝手に話を進めん…」


『うるせぇよ。弱者は黙ってろ。』


そういうと俺の足場が消えた。


「うぉ!?」


『俺と話したくなったら頭の中に呼びかけろ。』


邪神は笑う。

いや、違う。

アレは神などではない。

あれはそうーー


『ロキってな。』


魔王だ。


◇◆◇


目が覚めた時、俺は光に包まれていた。

いや、包まれていたなどそんな平和なモノではない。

必死な形相でロキではない神が止めているような気がした。

しかし俺はそんな手を振り払う。

その方が、面白い・・・と思ってしまったからだ。

頭の中でロキが笑っている気がした。

俺は再度、気絶した。


◇◆◇


「ん…。」


俺はベットで寝ていた。

このベットは…。


「あら、起きたの?」


保健室の先生が話しかけてくれた。


「あ、はい。寝かせてくれてありがとうございます。」


「いいえ。どこかおかしいところとかはある?」


「いえ、ありません。」


「よかった。貴方が加護を授かった直後に倒れたって聞いて前例がないからびっくりしたわ。」


「あ、そうか…。」


あーそうだ。

祈りをやってたらロキが俺と無理矢理契約してきて…。


「祈りはもう終わったんですね。」


「ええ、そうね。」


そう言って保健室の先生は立ち上がってこっち側に歩いてきた。


「自分で帰れそう?」


「はい、大丈夫です。一人で帰れます。」


「そう?ならいいわ。もう夕方になっちゃったし荷物まとめて帰っちゃった方がいいわよ。」


「ありがとうございます。」


そう言いながら俺はそばに置いてあった卒業証書や自分の鞄をまとめていく。


「それじゃ、三年間ありがとうございました。」


「はい、元気でね。」


そうして、俺の中学生時代は終わった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

面白いって思ったら⭐︎とか応援コメントよろしくおねしゃぁす!


それと、後先考えずに考えついたものをパッとあげたものなのでつぎ投稿するまで時間がかかるかもです。

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