恋愛小説

@noa_05120812

プロローグ

初めてその人を見たのは、街の図書館だった。


サラサラの黒髪、それを際立たせる白い肌、本のページを捲る骨ばった指、切れ長の目を伏せ頬杖を付くその姿に、目を引かれた。


二回目は、昼休みの体育館。


カッターシャツの袖をまくり、ネクタイを外して第二ボタンまで胸元を開けた気だるげな姿でバスケをしていた。


しなやかにボールを奪い、それを長い指で器用に操る黒髪のその人に、私は惹かれた。


そして私は今、その男、西条紫貴と付き合っている。

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