第7話 朝ごはん・オブ・仁義なき戦い
「スキピオおおおおおお!なんちゅーことを!!お前はしてくれたんじゃああああああ!!」
キシャーーッ!と威嚇するハンニバル。
ハンニバルの朝ごはんは、決まっています。
白いごはんにレタスを敷き、カリカリに焼いた片面焼きの目玉焼きにハムとウインナー、又はベーコンのせ、仕上げには目玉焼きに醤油をかけた「ザ・ワシが考えた絶対美味いどんぶりご飯」なのです。
飲み物は麦茶、若しくは焙じ茶です。冬でも冷たくても平気です。
朝ごはんに野菜がかなり足りませんが、そんなことはいちいち気にしません。
ワイルドなじいちゃんですから。
「黙れ!目玉焼きにはソースだろう!しかも両面焼きが良いのだ!我が国でも通例なのだ!それを何を貴様は片面しか焼かず、終いにはご飯の上に乗せるなど!全世界のパンに謝れ!特に食パンに!」
一方のスキピオさんは、優雅です。
食パンをトーストし、チーズとハムをのせ、スライスしたトマトとピーマンをのせた簡単なピザトーストとコーヒーです。
何をブリブリ二人が怒っているのかというと、「目玉焼きを片面しか焼かない日本人」VS「両面焼きたがる日本人」
という見たことない記事が目にはいり、リンクを押しました。
そう。二人は、
そこはまさに、古代ローマVSカルタゴのような舞台でした。
まさに二人の胸を暑く打つ様な議論が若者だけでなく年齢問わずの
「そもそも目玉焼きに醤油は日本人の心だろ!」「ソースは何処だよ?ソースは!ソース出せよ!」
と、一進一退の攻防が至るところで繰り広げられている!!
ハンニバルは思い出した。
ーかつて紀元前216年9月に誰もが無理だと言った前人未到のアルプス越えをし、圧倒的不利と言われたカンナェの戦いに勝利したことを!ー
大スキピオは思い出した。
ーカンナェの戦いを経験したローマを奮い立たせる為には一致団結する「ローマと同盟都市」との結束が大切であることを、切られるべくして、切られ勝利したザマの戦いを!ー
勿論、馳せ参じ無いわけには行きません!
早速ご飯をムシャムシャ食べて、「vipper初心者」として【生活用品として甦った際に】天照さんから頂いていた、ノートパソコン(勿論使用する知識もぶちこまれ済み)から、お互いに「ログイン」!
「今日の朝ごはん公開したる、ちなみに目玉焼きは片面しか焼かない醤油派」
と、ハンニバルがスレを建てる。
まるで、ビフォ◯アフターさながらな雰囲気。
一方のスキピオさん「目玉焼きにはソースだろうが!両面焼き派集え!ちなみに朝はパンだった奴!」と、スレを建てる!
これに反応し、一致団結する
「米食えや、スキピオ!男じゃろうが!」
「何を感化されているのだ!私は非常時以外、基本的に米等食わないと決めているのだ!!」
「じゃあお前、明日から【オムライス】食うなよ!絶対食うなよ!」
「なっ!なんだと!!?」
卑怯もの!我々からオムライス様を人質に取りやがって!
これだから米派はやることが汚ないんだ!
そうだそうだ!!
ぎゃんぎゃんと
「やかましい!汚なくねえよ!じゃあパン食うなよ!日本人としての誇りはどうした!?ん!!」
トゥンク。
なんだろうこの、罪悪感。
お米さん、ご免なさい!私達!勘違いしていたの!
ハンニバルは、めちゃくちゃこういう事は「得意」です。
ローマ孤立大作戦。
スキピオは知っています。だから。
めちゃくちゃ美味い、女子受けしそうなパンの画像を貼りました。
「スキピオおおおおお!!おみゃーは【食パン】一筋じゃろうがああああああ!!」
「( ´∀`)ふははは!!ハンニバルよ!パンはその種類の多さから幅が効くのだ!そう!白米よりもなあ!!」
「卑怯者おおおおお!!!」
秒速で、ハンニバルさんが【敵陣ど真ん中】で孤軍奮闘しました。
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