第5話 猫と犬と猛将二人
猫は可愛い。
自由だし、何より愛くるしい。
そして何より一番、煩くない。
そう、煩くな……
「ラクサ!お手!ヨーシヨシヨシヨーシ!可愛いでちゅね~!はい、オヤツおかわ…」
「さっき一本やっただろう!!何を甘やかしているのだ!全く!!オヤツの上げすぎは良くないと、里親さんが言っていただろうが!」
すぱーん!!と手にしていた、スリッパでハンニバルの頭をひっぱたくスキピオ。
事の始まりは、ハンニバルが犬を飼いたいと言い出した事。
まあ、幸いにもペット可の
可愛い
なんということでしょう。
スキピオは猫派ではありませんか。
ハンニバルはバッチバッチの犬派ではありませんか。
【里親さん】に別室飼いから徐々に、と言われていたのです。
勿論最初はお互いにルールを守っていました。
数日後、ハンニバルの方からトコトコ近づいてきたのです。
「猫ってよくみたら、可愛いいんですよねぇ。はい、マタタビとチュール」
なっ、なんて奴だ!
【
そしたら奴は!奴は!
「既製品のオヤツがなければ、1から手作りすればいいのだ!!」
ああああああ!そうですよねえ!
ハンニバルよ!奴は!
「兵士も武器も食料も、そもそもなければ現地調達すればいいじゃない!」
とか絶対言っただろう!絶対!!
象にのりながら!
そうじゃないとどうやって、
てか、マジで記録してたの?リウィウス!!
記録してるなら「肝心の部分抜けてる」とか、もうね!!
管理者が馬鹿なの?アホなの?
あー、ハンニバルはマジで真正面から相手すると本当に疲れる。
助けてーーー!!
「スキピオぉー」
にひー、っと笑うハンニバルの手には【手製のフィレステーキ】。
「待て!ジジイ!それは私の晩ご……!」
「ラクサやあ~今夜は高級
「こんの食料強奪糞ジジイ!ふざけんなアアアアアアアア!私の晩御飯を返せえええええ!」
次の日、私は即効で冷蔵庫をもうひとつ買いに行き、一つは大きいのにした!一つは小さいのにした!奴には小さいのでいいだろう、コンコンと説教したし、少しは懲りるだろう!
スキピオさんは気づいていませんでした。
ハンニバルさんは【ローマさん】を
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