レトロゲーム探検隊【カセットテープにセーブ?】君はデータレコーダーを知っているか

YouTubeチャンネル【レトロゲーム探検隊】

202■年3月■■日配信

『【カセットテープにセーブ?】君はデータレコーダーを知っているか』より


(以下、動画の一部書き起こし)


 君はこの機械を知っているだろうか──。


 今どきのゲームは、セーブデータを本体やSDカード、あるいはクラウドに保存するのが一般的だ。


 しかし、今から40年前、初代ファミコンの時代は違った。ゲームによってセーブの方法は異なり、そもそもセーブが出来ないものも多くあった。


 ファミコンでセーブといえば、ひとつはパスワードを入力するもの。当時リアルタイムでドラゴンクエストの1や2をプレイした方は『ふっかつのじゅもん』といった方が馴染みがあるかも知れない。詳しい説明は省略させていただくが、これは2bitのプレイデータを平仮名や片仮名に置き換え、それを再度読み取ることでセーブした時点のプレイデータを再現する、という方式だ。この記録方法の利点は、パスワードさえメモしておけば、友達の家に行ってみんなでゲームをするとき、自宅からカセットを持って行かなくても自身のプレイデータを再現することが出来るということだ。携帯ゲーム機がまだなかった時代。これは非常に便利だった。今でもネットにはレベルを最大まで上げたデータや、バグ技のような普通ではありえない持ち物を持っていたりするデータなど、色々な『ふっかつのじゅもん』を見ることが出来る。セーブデータを気軽に共有出来るというのは、現代にはない面白い要素である。


 ただし、このパスワード方式には大きなデメリットがある。ファミコン世代の方なら一度は覚えがあると思うが、パスワードを書き間違えてしまうとセーブデータを復元することが出来なくなってしまうのだ。だからパスワードをメモする際には何度も何度も確認をしたものだが、意味のない平仮名の羅列はチェックするのがなかなか難しく、あんなに慎重に確認したはずなのになぜか『ふっかつのじゅもんがまちがっています』と表示されることもしばしば。自分で書いた文字が汚くて読めな〜い、なんてこともあった。せっかく頑張って進めたデータが復元出来なかった時の絶望感は、今でも忘れられない。当時は今のように簡単に写真を撮ることも出来なかったので、テレビにつないだビデオにパスワード画面を録画しておく人もいたくらいである。


 もうひとつのセーブ方式は、カセットに内蔵されている電池を使ってセーブデータを保存する方式で、これは感覚的には現代のセーブと近いものだ。パスワード方式と違い、メモを書き間違えてしまうといった恐れがないので安心である。何よりボタンをピッピッと押せばセーブ出来てしまう、その簡便さが素晴らしい。ドラゴンクエストも3からは『ふっかつのじゅもん』から、こちらの方式に移行した。この方式はその後、後継機にあたるスーパーファミコンや、携帯機であるゲームボーイなど、多くのゲームハードで採用された。


 そんな簡単便利で安心な内蔵電池によるセーブ方式だが、これにもデメリットがある。何らかの影響、例えばセーブデータを記録する際にホコリや汚れの影響でデータに『ノイズ』が入ってしまうと、正常なセーブデータと認識されずにセーブが消えてしまうことがある。または本体にカセットがきちんと刺さっておらず、読み取り時のノイズが原因で消えてしまうことも。このように内蔵電池によるセーブ方式は、パスワード方式にはなかった『セーブデータが消えてしまう』というデメリットがある。当時ドラクエ3をプレイした方なら、セーブが消えてしまった時に流れる『あの音楽』に苦い思い出があるのではないだろうか。


 ちなみに内蔵電池のバッテリー切れでデータが消えてしまうという話があるが、私が今まで色々なカセットを分解してきた経験からいうと、現代に至るまでバッテリー切れを起こしていないカセットの方が多い印象だ。内蔵電池が原因でセーブがきちんと出来なくなっている場合は、少なくとも私が見てきた限りは、電池の配線の方に異常がある。その為、ほとんどの場合は配線を直してあげれば再び正常にセーブが出来るようになる。それは当時の技術の素晴らしさを表しているとも言える。


 さて、本題はここから──。


 冒頭でも紹介したが、皆さんはこの機械をご存知だろうか。これは【データレコーダー】といって、カセットテープにプレイデータを記録出来る優れものなのである。


 この方式でセーブが出来るゲームは【ロードランナー】や【エキサイトバイク】など7種類のみなのだが、この動画を見ている方もほとんどの方が『ロードランナーってセーブ出来たっけ?』と思われているのではないだろうか。それもそうだろう、データレコーダーはパソコンによっぽど詳しい人でなければ馴染みのないものだ。実際にデータレコーダーでセーブをしたことがある、という人は少ないだろう。


 詳しい仕組みは……私も正確に理解しているわけではないので割愛させていただくが、要するにデータをオーディオ周波数帯の信号に変調して記録するのだ。技術的にはレトロなのだが「音からデータを読み取る」というのは、なんだかスパイ道具のように近未来的でワクワクしてしまうのは私だけだろうか。


 ちなみにこのデータレコーダー。現代では気軽に手に入るものではないが、実はICレコーダーやスマートフォンの録音機能を使ってデータのセーブは可能である。


(以下略)

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