夢の中にある町で
塔
告白
──ひとを、殺しました。
名前は、ツダタケヒロさん、という方です。
四十代くらい……たぶん、私と同い年くらいの男性です。
──何処で?
西間泥水(にしまどろみ)というところです。
──いえ、何処と言われましても……。
西間泥水、という地名しか……。
──遺体は、近くの藪に棄てました。
──怖かったんです。
何度か、顔を合わせて、お話をしたんですけど……。
何故か……どうしても、殺さなくては、と。
──はい、バズーカで撃ちました。
──え? バズーカです。
──あ、はい。そうです、そうです。
夢の中です。
西間泥水は私の夢の中にあります。
でも、本当に殺したんです。
その証拠に、あれ以来、ツダさんに会うことはなくなりました。
──はい、そうです。
私の、夢の中で、です。
私は、
私の夢の中で、
ひとを、
私、
ひとを殺したんです。
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