生存者あり
村に入る。
昼間見つけた村だ。今はすっかり夜もふけてしまった。
家家は窓が小さく、鎧戸が閉められている。
玄関は雪国とかでよくある軒先に壁と戸が着いた様な形式。軒先の戸を開けても玄関に風が入らない仕組みだ。
まだ鎧戸から明かりの漏れている家があった戸を叩く。
コンコンコン
「ごめんください」
恐る恐る
「こんな夜中にどうしたんですか」
「山で遭難してしまい困っていた所この村を見つけたのです。泊めていただけないでしょうか」
厚かましいかな?
「い今開けますちょっと待ってください」
「すみません」
「ああのそんな格好でなんで生きてるんですか?」
ああそうだそりゃ疑問に思うよな。
「そりゃ俺は鍛えてるからな。とはいえちょっとだけ寒いんだぜ」
「いやいや」
ふうなんとか誤魔化せたぜ。
「いやいや誤魔化せてませんから」
「え、ままさか心の声聞こえるタイプの人」
「声に出てましたよ」
「声に出っちゃってたかあ」
「まあとりあえず中に入ってください」
「ありがとう」
玄関に入ると暖かい家だった。
リビングに通されると暑いくらいだ。
暖房が効いて居る。
「すっげー暖っけーなあ」
「皮肉ですか」
「そんな訳無いだろ」
よく見ると暖炉の火は消えていた。それどころか木の板で塞いである。
「外に居たからそう感じるんだよ」
「そうですか」
「まあいいでしょう。遭難したもの同士仲良くやりましょう」
「えっ?この村は?あなたの村じゃないの」
「違う私の村じゃない。ここは山奥の廃村だ」
「えええ?」
多少生活感を感じる、しかし。
「リビングに寝袋?」
「登山中こんな季節なのにこんなに雪が降ってきたんだ、しょうがないから、ここだけ使えるようにしたんだよ」
「こんな季節だって?」
いろいろ話を聞くとなんと今夏らしい。
さらに夜にゾンビなんてこれまでは出て来なかったそうだ。
それとたまに家よりでかい巨獣が出るらしい。
「なんでそんな事に?」
「わからん」
「食料とかどうしてたの?」
「雪が降る前、私は狩人だからこの弓で鳥とか狩ってた」
「すげーな」
「ただ本来売り物だから自分で全部食いたくなかったんだけど雪ひどすぎて何日も山を降りられなくなったからもう無い」
「じゃ鹿の解体頼める?」
「しか?」
「台所とかない」
「あああるぞこっち来い」
台所について行き、そこでアイテム欄から鹿を取り出す。
「でか!良く仕留めたな」
「すげーだろ」
「ああ凄いでも今日はもう夜遅いさすがに明日にしよう。あんたも元気そうだしなしまっておきな」
「そうしよう」
「悪いけどさすがに寝袋は1人用なんだ」
「ああ俺はその辺に寝っ転がってるから大丈夫。」
「寝たら死ぬぞって言いたいけどなんかあんたなら大丈夫そうだな」
「鍛えてるからな」
「そんで良いよもう」
と言う訳で寝た
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