第12話 ひったくって画面を注視したい

「お母さん、お母さんみたいな人が他にもいるんだよ」


野菜でお腹を満たした後、娘がスマホの画面を見せてきた。


静止画だったけれど、それがどこのパーキングで、どの角度から撮った写真なのか、すぐにわかった。


「この人もパーキングが好きみたいよ」


娘が指を横に動かし、数枚の写真を見せてくる。


「お母さんの変な趣味と思っていたけれど、そんなことないんだね。これとか、良い写真じゃない?」


「え、そうなんだ」


ごにょごにょ言い、ほとんど空になっているアイスコーヒーを飲む。


娘のスマホをひったくって画面を注視したい思いを抑える。


自分が写っていたらどうしよう。


自分の車でもイヤだ。


「たぶん、このアカウント、男の人っぽい。車の写真が多いから、車が好きなのかもね」


「ナンバーとかは写ってない、よね?」


「写ってない。なんでお母さん、そんな怖い顔しているの?」


「していないよ」


アイスコーヒーを飲もうと思ったが何も残っておらず、


「ちょっといれてくる」


と、席を立った。

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