第5話 嬉しそうに娘が笑う
長男、次男は内地の大学へ行き、そのまま就職した。
利子つきの奨学金を毎月3万くらい返している。
あと何年か生まれるのが遅かったら、長男は4年とも、次男は2年間無償化の対象だったのに。
夫と別れてシングルだったら、給付の対象だったのに。
産む時期も、離婚も、私が選べなかったから。
第三子の長女は県北部の大学に入学し、一人暮らしをしている。
だから、あの頃と違い、パーキングにいつ寄るか、どれくらい滞在するかは全て私が決められる。
長女の所へ行く時は必ず寄る。
行きも帰りも。
「お母さん、またパーキングで寝てきたの?」
長女に必ず言われる。
「どんどん、眠る時間が長くなっていない?」
「そうかもしれない」
長女の部屋はワンルームで狭く、物でごちゃごちゃしているのに落ち着く。
自分が片付けなくてもいいからだと思う。
「大丈夫?」
夫によく似た顔をした娘が私の顔を見ている。
「何が?」
「疲れているんだったら、無理して私のところに来なくていいよ。
それか、お父さんに運転してもらえば?」
「あの人は来ないよ」
「そっか、そうだよね。相変わらず、毎日飲んでるの?」
うなずく。
なぜか嬉しそうに娘が笑う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます