第3話 一人残らず、年をとる

パーキングでの寝起きは、そこまで良くない。


もう少し、もう少しだけ、このまま眠っていたい。


でも、運転しなければ家まで帰れない。


無理やり体を起こす。


3人が食べ散らかしたアイスや菓子、パンのゴミを無言で集め、外へ出る。


小言を口にする元気もない。


地面に立った瞬間に体が強張っていることに気づく。


一人だったら、大きく体を伸ばし、ストレッチをしたい。


でも、車内のこども達の早く帰りたいオーラを感じ、ぼーっとしたままトイレへ向かって歩く。


途中、ゴミ箱にゴミを分別して捨てる。


パーキングの燃えるゴミのゴミ箱はいつでも溢れんばかりだ。


パーキングで買った物はパーキングのゴミ箱へ。


何となく、わかる気がする。



パーキングのトイレは綺麗ではないけれど、汚くもない。


ペーパーは必ずある。


手を洗う。


石鹸を使って入念に洗う。


鮮明ではない鏡に映った自分の顔や、ボサボサになっている髪を見て、敢えて思う。


誰でも、一人残らず、年をとる。


だから、大丈夫、と。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る