第7話

そんなある日。

「きゃーー!」

「救急車!警察!早く呼べ!」

「ママ…?パパ…?」


今日はお休みの日。ママとパパと歩きながら買い物して帰ろうとしていた時だった。


目の前で両親が車に轢かれた。


「君は怪我してない?大丈夫?」

「…うん。」


僕の目の前にいたお姉さんが話しかけてきた。


僕は怪我なんてしてない。だってママとパパが僕を守ってくれたから。


…でも、

「ママ!パパ!」


目の前には血だらけで動かないママとパパがいる。


「ママぁ!パパぁ!うぅっ!」


なんで…。なんでよ…。


「もうすぐ助けにきてくれるからね!大丈夫!ね!」

「うぅ…ひっく」


目の前のお姉さんはそう言ってくれるけど涙がいっぱい出てくるし、ママもパパも動かないし。


「ほら僕。大丈夫だから。な!これ食べて待ってよう!」

「うぅっ…あ、ありが、と。ぅう…!」


さっきどこかに電話してたお兄さんはカバンからチョコレートを出して僕にくれた。


でもちっとも食べたいと思わない。

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