第53話
「え…どういう事なんでしょう」
園長は持っていた羊羹ナイフを置き、静かに話し始めた。
「あなたは本当に素直で、可愛らしくて、一緒懸命で…。良い幼稚園教諭になれると思うわ。」
「ありがとうございます。」
「ただね、私はあなたを、うちの先生として採用する予定では無かったの…」
「え…」
突然の園長の告白に戸惑ってると、園長は話し続けた。
「さっきも伝えたけど、あなたは良い先生になれる。だけど、うちの園は基本は何年間か英才教育の園で経験を積んできた人を採用しててね…。」
「でも、それは求人には書いてなかったかと…」
「うん。そうね。そう書いちゃうと色々な問題があるから…。この幼稚園は有名な幼稚園の中でも国内で1番の幼稚園だと自負してるの。私なりに頑張って努力して、周りの人のサポートも受けて今があるの。だからね、それに答える為には、先生も未熟では無く、最高の先生を揃えるのが、この幼稚園の暗黙のルールなの…」
園長は私に申し訳なさそうに、更に話を続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます