第21話
「梨子は幼稚園教諭希望なんだよな?」
絢斗と付き合って早1年。
お互いの関係にも大分慣れてきた頃、いつもの様に私のアパートの部屋に来て、ソファーで寛ぐ絢斗が突然質問してきた。
「うん。まだ幼稚園の候補が絞れて無いんだけど…。ただ、出来ることなら教育に力を入れてる幼稚園で働いてきたいんだ。」
「ふーん。またなんで教育?」
「うん。教育とは言っても色々あるけど…
考える力を小さい時から育ませてあげたり、その子の持ってる才能を伸ばしてあげたり、自己肯定感を高めて強い心を付けさせてあげたいんだ。そして経験を沢山積んで、いつかは自分の思い描く幼稚園を作って園長になりたいんだ。」
「…よく考えてるな。俺なんか3年になって焦ってたら、スグ就活だったけどな」
「でも、絢斗はすごいよ。それでもあの大手の広告代理店に就職決まったんだもん。」
「まぁ、なんとかな。俺も今年一年で卒業か。社会人になっても梨子は俺と居てくれるのかなー」
絢斗は横に座ってる私の頭をポンポンとして優しい顔で覗き込む。
「何言ってるの?それはこっちのセリフだよ」
「梨子の夢も叶うといいな。」
そう言って笑う私に絢斗は優しくキスをした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます