繋いだ手

空繰 巧

繋いだ手

貴方の手は温かくて握るとぎゅっと優しく握り返してくれるのがとても愛おしい。


私は貴方の大きくて無骨な手が大好きなんです。初めて手を握られたあの日から今もずっと。



貴方は無口で大きくて何もしてなくとも威圧感というか、存在をすごく感じさせるような人


そのせいで周りの人達には怖がられてしまうけれど、実の所何も怖がる必要のない心優しい人。


無口なのは、口下手で恥ずかしがり屋さんだから。彼のことを知れば知るほど威圧感なんてそんな物ないんですよ?


その大きな身体は私を守ってくれる

その大きな手は私を優しく包み込んでくれる

だから私は貴方のその心を抱きしめるのです


すっかりお外は暖かくなってきました

また一緒にお出かけしましょ?

そうだ!お弁当を作りましょう!

貴方の好きな物沢山詰め込んじゃいましょ!

そして一緒にお花畑を見に行きましょ!

夜には海に行って、キラキラ光る水面を眺めながあなたの手を握るの


手を繋いで一緒にって…また…


一緒にって約束したのに



貴方の手は冷たく握っても少しも動かず握り返してくれないのがとても、とても悲しい


私は貴方の大きくて無骨な手が大好きなんです。初めて手を握られたあの日から今もずっと。ずっと。ずっと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

繋いだ手 空繰 巧 @KarakuriTakumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る