第3話 添付資料調査報告書(第9-β関連分析)

添付資料調査報告書(第9-β関連分析)【正式記録


【文書番号】

物資環境第04-311-a


【件名】

黒色付着物および音響記録ログに関する簡易分析報告


【作成日】

令和4年6月28日


【提出先】ff

山井区防災係(O主任宛)


【分析対象】

| 該当物件 | ---------------------- 概要 ----------------- | 採取者 | ---- 採取日時 ----- |

| ------------ |--------------------------------------------------| ----------- | ---------------------- |

| A試料  | 靴底に付着していた黒色粉末状物質 | O主任 | 令和4年6月23日 |

| B試料  | 配電盤5号より収録された連続音記録| K補佐員 | 同上 |


【分析結果(A試料:黒色粉末)】

- 主成分:鉄粉(酸化第二鉄 Fe₂O₃)、炭素化合物、無機繊維質

- 不純物比率が高く、構造上「自然発生物」との判定

- 顕微鏡観察にて、粒子の一部が“繊維状の芯”を中心に生成 → 工業素材とは一致しない“有機的な芯構造”を示す

- 電子顕微鏡下で、表面の一部に“結晶状配列”が観察されるが、分類不能

※ 本物質は既知のアスベスト、鉱滓、カビ胞子とは一致せず。「生物由来かつ鉱物性の混合体」である可能性はあるが、既存サンプルライブラリに照合一致なし。


【分析結果(B試料:音響記録)】

- 元データは.wav形式(24bit/48kHz)で保存

- 可聴周波数範囲(20Hz~20kHz)の波形において、約27.8秒間隔で繰り返す低振幅音を検出

- 各周期の間に“平均値より上振れする無音域”が存在(解析上ノイズ扱い)スペクトル分析にて、22Hz以下の“波形の縁”に極めて浅い断続ピークあり

- ※ 波形の一部に“人声に近似した形状変位”が数箇所認められる(自動音声識別AIによる判定に基づく/詳細解析不能)


【所見】

- A試料は、“既知の粒子では説明できない構造”を示しており、現段階では自然・人工いずれの起源も特定不能である。

- B試料は、“意味のない反復音”のようでいて、ある種の“周期的な呼吸様構造”を持っている可能性がある。

- 両試料の因果関係は不明ながら、同時空間上に発生した共鳴現象の可能性を排除できない。


【備考】

本件に関する追加調査の実施判断は依頼元に一任する。

ただし、分析担当職員の間で、“録音試料の再生環境において耳鳴り・焦燥感を訴える例”が2件確認されており、精神衛生上の注意喚起を添えて提出する。


【署名】

物質環境技術研究室

主任技師 益田 昌典

副技師  高坂 碧

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