飼育動物異常行動調査報告書（第9-β案件）【正式記録】

【文書番号】

保管動第04-219-β

【案件名】

S市山井区・多頭飼育住宅における飼育犬異常行動通報に関する対応報告

【受付日】

令和4年6月17日（金）　午前9時24分

【通報者】

山井区在住　女性（60代・匿名希望）

※動物愛護法第39条に基づき、個人情報は非公開とする。

【通報内容】（要約）

「飼っている犬の様子が数日前からおかしい。

全6匹が、誰もいない壁の隅に向かって一斉に吠える。

夜になると、全員が同じ方向に向かって座ったまま動かなくなる。

1匹は、壁に向かって歩き続けていて、止まらない。

声をかけても、視線も合わせない。」

【対応実施日】

令和4年6月19日（日）　13:10〜13:55

【対応職員】

O（主任）・K（補佐）

S市保健所 動物保護管理係

【現地訪問結果】

■ 飼育環境：

- 通報者宅：山井区小沢2丁目／木造2階建（持家）

- 犬専用スペースあり（玄関脇の和室8畳、畳敷き）

- 飼育頭数：中型雑種犬6頭（すべて避妊・室内飼育）

- 年齢：推定2〜8歳／全頭ワクチン接種済、過去に咬傷歴なし

■ 異常行動の確認：

訪問時、以下の行動を確認：

1. 6匹全頭が、和室の北東角に向かって並ぶ形で静止

2. 全頭の首の角度・耳の位置・姿勢が完全に一致

3. 職員および通報者が発声・接近しても無反応

4. 約2分経過後、6頭が同時に首を傾ける

5. 職員Kが和室に踏み入れた際、6頭が同時に振り返る動作を示すが即座に元の姿勢へ戻る

6. 訪問中、吠える・尻尾を振る・移動する等の通常行動は一切確認されず

【映像記録・資料】

- 職員携帯端末により映像記録を実施（動画ファイル：mov形式）

- 映像は冒頭17秒以降より、断続的な画面揺れ・歪みが発生

- 通報者により過去3日分の監視カメラ映像を提供されるも、該当時間帯の一部が読み込み不能状態

【補足事項】

- 補佐員Kは、訪問当日の夜間より軽度の頭痛および耳鳴りを訴え、翌日午前休

（診療記録提出は任意扱い／体調回復にて翌日復帰）

- 通報者によると、異常行動は6月20日を境に“ぴたりと止んだ”とのこと

- 6匹はいずれも元通り活発で、現在は特に異常なしとされる

【職員所見（O・主任）】

「行動に明確な外的刺激がなく、全頭が完全に同調していた点に違和感が残る。

北東方角への持続的な注視行動は、何らかの環境刺激（音響・電磁波等）も考えられるが、

通常は個体差が出るはずであり、今回のような一糸乱れぬ反応は極めて異例。

通報者は宗教的要素や儀式等の関与を否定しているが、

無意識的な生活環境の偏り（例：磁場・家屋の方位構造）等も視野に入れる必要がある。」

【今後の対応】

- 当該行動の映像記録は保管資料として保存（クラウド及び物理メディア）

- 類似案件との照合データベースを更新し、“複数同調型行動”の初期対応フローを暫定作成

- 付近の北東方角にある旧山井区第二変電所の施設調査について、防災係に照会済

【添付資料】

- 写真資料（静止画3点）

- 映像ファイルダイジェスト（DVD-R／S市内部保管）

- 通報者作成の記録メモ（手書きスキャン）

S市保健所 動物保護管理係

主任：大井正彦（O）

補佐：木嶋哲平（K）

提出日：令和4年6月20日