第3話 サッちゃんの歌の謎

 元ネタは『大乃元初奈』の『おねがい朝倉さん』に掲載されていた、サッちゃんの歌なのです。


 画像なしでも分かるように説明すれば、主人公の朝倉さんが道を歩いていると、小学生たちが楽しく歌を歌っているのに興味を引かれた。

 その歌詞が、


♪さっちゃんはね、やすこって云うんだ本当はね

 だけど小っちゃいから自分の事よっちゃんって云うんだよ

 おかしいね、みっちゃん。


 オチで、朝倉さんが振り返りながら「誰?」 とつぶやく。



 さぁせっかくなので、この歌を解明してみよう。


 ぶっちゃけ結論は『やすこ』である。歌詞の中で本当はね、と言っている以上そうなのだろう。というか、これ以外の答えがあるのなら、もう私の手には負えません。


 でもそれは、とっかかりであって、じゃあ何故自分の事を『よっちゃん』と呼ぶのか……というのも本人が小さいからとしか言い様がない。

 歌詞の中でもそう言っているし。


 多分、自分でも『やっちゃん』と言っているつもりだったり何か間違えて『よっちゃん』と言っているのか。

 舌足らずなのだろう。やすこちゃん、推定3~5歳くらい?。


 しかしこの『やすこ』ちゃんの事を、歌詞頭では『さっちゃんはね』と切り込んでいる。どうやら当の本人以外は愛称として彼女の事を『さっちゃん』と呼んでいるらしい。なぜだろうか?。

 名前か『やすこ』である限り、そこからその愛称が出来たとは思えない。名前じゃないのなら、苗字からというのはどうだろうか。


 金田できんちゃん、渡辺でなべちゃんとかいうのは良く使われている。

 なら『さっちゃん』の場合、姓が『佐々木』とか『佐野』、というのは無理があるか。『佐野』だったら『サノちゃん』になるだろうし。いや水戸黄門に出てくる助さんこと『佐々助三郎』の『佐々』なら……『サッサちゃん』かな。せいぜい。


 そこで思いついた別の『さっちゃん』。兵庫県在住の人で見た事ある人もいると思う、ヤマサかまぼこの商標キャラクター『ヤマサのさっちゃん』。

 そう、もし彼女が関西(兵庫県)在住で、姓が『山佐』で、『ヤマサのさっちゃん』みたく愛嬌があって髪をツインテールで括っていたりしたら、おそらく『さっちゃん』と呼ばれてもおかしくないのでは、と。


 すみませんね。ネタが関西限定で。

 ちなみに、ヤマサのさっちゃんもググれば出てくるので、気になる人は行って見てみて下さい。


 さて、この歌詞の内容は文語体でなく口語体である。という事は誰かが誰かに話していると考えた方が良い。

 その誰かとは、少なくとも『やすこちゃん』ではない。自分の名前も言い間違えるくらいなのだから、そんな難しい事を言えもしないし当の彼女に聞かせたところで分からない。


 だからこの誰かは少なくとも『やすこちゃん』じゃないけど『やすこちゃん』の事を良く知っている子であろう。口ぶりから推定小学生以上? 近所の子なのか、姉とか従姉妹とか。まぁ誰でもいい。その『やすこちゃん』じゃない誰かに向かって言っている訳だ。そうなると、もう分かるだろう。


 それらの事を一通りしゃべって、相手に「そうね」と言ってもらいたくて、聞いてみたのだ。


「おかしいね、みっちゃん」と。


 そう、みっちゃんは実は聞き役だったのだ。


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