タイトルから得られる情報をいい意味で裏切り、
読後は全く違う意味に捉えられる仕掛けが面白く、ハートフルな世界に疲れた心が暖かくなる⋯そんな作品です。
作中には社会的な問題も出てきており、同じ思いをしている方には特に刺さると思いました。
本作の主人公の英介くんが出会う一匹の喋る不思議な亀・ミッシー。この少し図々しい(?)ミッシーとの出会いを皮切りに英介くんの周りでは変化が起こり始め⋯?
友人の渋川君とのずるい関係性。そして大切な『ばあちゃん』とのやり取り。人間関係のリアルさというのもリアルに描写されていて素晴らしいと感じます。
ノスタルジックでちょっと不思議な亀とのお話。
是非覗いてみてくださいね☺️
珠玉のジュブナイルです。
作品タイトルを見たとき、ふとした先入観が浮かぶかもしれません。
でも、それを抱いた瞬間から、あなたもまた
この舞台の“演者〟のひとりです。
主人公の少年の視点で描かれる世界には、
何気ない偏見や無理解、蓋をした憧憬、罪悪感――
大人の日常にも通底する、答えの見えない問いや、掻き消されてしまう声が、
少年特有を曖昧さも伴いつつ、鮮烈に捉えられています。
そして作者様は、カメという寓話的なモチーフを通し、
それらエッセンスをあくまで柔らかく、説教じみることなく、
静かに、やさしく、笑いもまじえながら、
差し出してくださいます。
ペンネームに託された想いが透けて見えるような、一作。
タイトルの言葉、英介少年の言葉、その裏に流れるものに、
想像力を、ひとひら――。
ぜひ、その目で確かめてみてください。
このタイトルから思い浮かぶのって、大体陰キャによる陽キャへの恨み節に傾倒した、歪んだ青春小説みたいな内容だと思うんです。
でも違いました。
初めこそそういう方向性の傾向はありましたが、読み進めるうちにそんなことがちっぽけに思えるような、人間味あふれる奥深いドラマが、ぽつぽつ、切々と綴られていき、やがてその流れは止めどない激流となっていきます。
その一連の語られ方が実に丁寧で、思わず自身の経験にも重ねてしまいました。
結果として、願いをかなえる亀さんは、確かに主人公の願いをかなえました。
しかし、その願いはなろうやカクヨムでよく語られるような、安っぽいチートパワーによる話題性だけの都合のよいものとはかけ離れた、とてもピュアな奇跡でした。
どんな願いをかなえることにしたのか……それは、あなた自身の目でお確かめください。
音痴で運痴な主人公・英介がひょんなことから体育祭の応援団の一人に選ばれてしまった!
しかし、どんなに頑張っても上手くできない。
応援に情熱を燃やす同級生・渋川にもガミガミ言われる始末。
体育祭なんかバクハツしろ!
そう思っていた主人公のもとに、とある亀が話しかけてきて……。
このような始まりから、私は100%フルコメディだと思っておりました。
しかし、物語を読み進めていくと、どうも様子がおかしい。
そこには、現代に生きる若い世代にとって、とても切実な問題が描かれておりました。
大好きな家族。
その家族とも、いずれは別れる時が来てしまう……。
主人公を通して、自分は家族とどう向き合ってきたか、そしてこれからどう向き合っていくべきかを考えさせられてしまいました!
また、言葉を話す亀(ミッシー)の傍にいてくれる安心感、凄く良いです!
是非ともご一読を!!!