Fiction of a Flame
抹茶。
目覚め
暗い…何も見えない…ここは…何処だ…?
「………るぞ!!」
誰かの声が聞こえる…
「………急げ!!壊すぞ!!」
壊す…何を
瞬間俺の目の前のガラスが割れる音がして、俺の意識はそこで再び途絶えた
「ここ…は」
周りを見ると俺はベットに寝かされている、場所は病院の様な所だ
「何があったんだ…」
俺がベットの上で呆然としていると、部屋の扉が開き、1人の女性が入ってきた
「物音がしたのでもしかしたら…と思いましたが…目が覚めて何よりです」
「貴方は…?それにここは…?」
「安心してくださいね、ゆっくり1つずつ説明しますから、まず私の名前はリラ・クラリス、この街でシスターをやってます、そしてここはその教会です」
「そうか…それで何で俺はここに居るんだ?」
「覚えていませんか?この街の近くにある謎の研究施設から最近争った音がしたと言う知らせが教会に来まして、確認に行ったんです、そこでガラスの中に閉じ込められている貴方を見つけたんですよ」
「閉じ込められていた…俺が?」
「記憶が曖昧なのかもしれませんね…お名前を伺っても良いですか?」
「名前…名前…?俺の名前って…何だ…?」
「名前も覚えていない…取り敢えず先生に目が覚めた事を伝えて来ますね、少し待っててください」
「……」
(不思議だ…名前も自分がどんな人間だったかも覚えてないのに…教会とかベットとか…そういう記憶は覚えてる)
「知りたいな…俺の身に何があったか」
それから俺はリラさんが呼んできた医者の診察を受け、特に異常が無いことを確認した、記憶に関しては部分的な記憶喪失という事になった
「では今からこの世界に関する授業を始めます、気になる事は何でも聞いてくだいね」
目覚めた翌日、俺はリラさんから抜け落ちてしまっているこの世界の事を教えてもらっていた
(昨日頼んどいて良かった、)
「そうですね…何処から説明しましょうか…では手始めに今居るこの国の事から説明しましょう、今私達が居る国はルドラ教国と言います」
「教国…だから教会か」
「はい、女神カサンドラ様を信仰しています」
「どんな女神様なんだ?女神カサンドラは」
「信仰に興味があるなら教えて差し上げますよ!」
「今は良いかな…自分の事で精一杯だし」
「そうですか…いつでも歓迎ですからね、カサンドラ様の事でしたね、カサンドラ様は予言の女神様ですよ」
「予言?」
「はい、説明も一緒にお話しますね」
「頼む」
「ルドラ教国は王家と言う存在が居ない代わりに教団が王家の代わりを務めている唯一の国です」
「って事は…他の国で言う王は教団の最高司祭が務めてるって事か?」
「半分正解です、この国の最高決定権は最高司祭様と予言の巫女様にあります」
「予言の巫女?さっきの女神カサンドラと何か関係があるのか?」
「予言の巫女様はカサンドラ様の予言を唯一聞くとが出来る御方なんですよ」
「確かにそれは凄いが…最高司祭程の力を持っていると思えないんだが」
「巫女様はいつお産まれになるかわからないんですよ」
「いつ産まれるかわからない…?どういう事だ」
「偶に勘違いされる方も居るのですが、巫女は現在の巫女様が亡くなった後、次の巫女様がいつ産まれるか不明なのです」
「つまり国に巫女が居ない状態があるって事か?」
「何なら年数で見れば居ない方の方が長いですよ、今の巫女様も4年前に来られた方でその前の巫女様が居たのは70年以上前の事ですから」
「そんなに年数が離れるのか…」
「はい、ですので巫女様は最高司祭様と同等の決定権を持っているんですよ」
「納得だ、続きを頼む」
「では騎士団について説明しましょうか、先程この国は教団がまとめていると説明しましたね」
「あぁそうだな、騎士団ってのは軍の様な物か?」
「その通りです!教団は今回貴方を発見した持ち主不明の建物の調査や魔物の討伐も行っています」
「成程…荒事の為の騎士団か」
「それと騎士団は各地の教会に配属されています」
「考えてみればそうだよな、誰が教会の人間を守るんだって話だ、この教会にも居るのか?」
「勿論です、昨日から任務に向かってしまって居るので居ませんが、今日の夜には帰ってくると思いますよ」
「是非挨拶させてもらうよ」
「では…次は魔法についてですかね」
「魔法…そんな物まであるのか」
「逆に私達からすれば魔法すら忘れてしまっているのに何で教会とかの事は覚えているか不思議ですよ」
「面目ない…」
「攻めてる訳では無いので気にしないでください、では魔法について説明しますね」
「あぁ」
「魔法を説明するにはまずこの世界にある10の属性について説明しないといけませんね」
そう言うとリラさん紙に文字を書いていく
「光・闇・炎・水・氷・草・風・雷・土・音の10種類です」
「多いな…」
「実際10種類使える人は居ないので安心して良いですよ」
「そうなのか?」
「はい、では属性について説明したので次は魔力と素について説明しましょう」
「まず魔力です、これは血液の様に目には見えませんが体を流れて居るものです、そして1人1人魔力には少し違いがあります」
「どんな違いがあるんだ?」
「簡単に言えば魔力によって適正属性があります」
「例えばどんなのがあるんだ?」
「私で言えば光が適正属性です、反対に闇は非適正属性です」
「確かにリラさんは光属性って感じがするよ」
「良く言われます、そんなに見えますかね」
「今の10種類の中だったら間違いなく光ですよ」
「そんな事ないと思うのですが…話を戻しますが基本的に1人に付き1属性が基本です、稀に2つ以上適正を持っている方が居ますが中々見ません、勿論あくまで適正なので非適正属性や適正属性以外も使えます」
「俺にもあるのかな」
そんな事を呟くと彼女は柔らかい笑みを浮かべて
「あると思いますよ、教会で見れるので後で見てみましょう」
「そうだな、それで属性の後に言っていた素って何だ?」
「説明しますね、素というのはこの世界の空気中に漂っている目に見えない物です」
「と…言うと?」
「わかりづらかったですよね、一般的には素では無く各属性に合わせて光素や闇素と呼ばれてます」
「成程…そんな物があるのか」
「今までの事を踏まえて魔法の説明をしますね、まず自身の魔力を使って使いたい魔法の魔法陣を展開します、魔法陣を使わない魔法もありますが、基本的には自身の魔力で魔法陣を展開するのがスタートです」
「次に展開した魔法陣に使いたい魔法に必要な素を吸収します」
「ちょっと待ってくれ、吸収って何だ?」
「すいません、そこの説明を忘れてました、魔法を使うには魔法陣に空気中の素を吸収させる必要があるんです、使いたい魔法に合わせて炎素6割、風素4割の様にですね」
その説明を聞いて俺は真っ先に思った事を問う
「それ…戦闘中にやるの無理じゃないか?」
「そう思いますよね、ですがこの世界には広く普及している魔法が沢山あります、そういった魔法は既に混ぜる素の分量が決まっているので比較的安全に行う事が出来ます、何より素の分量を間違えても魔法は発動するんですよ、偶にそれが新しい魔法の起点になったりもしますし」
「危険は無いのか?」
「あるとしたら魔力暴発ですね、素を込めすぎたりすると起きますが…正直中々発生しませんね」
「それはどうして?」
「単純ですよ、魔力発動に必要な素が魔力陣に集まったら魔力陣は素を吸わなくなるんです、それでも無理やり吸わせようとすると魔力暴発が起きます」
「成程…確かにそれなら中々起きないな…」
「では最後に特別な魔力の持ち主について説明しますね」
「頼む、何なんだそれは?」
「魔力は本来何の性質も持たないですが、稀に魔力に性質を持って産まれる人が居ます、そんな人達の事を
「
「才人の持つ力にはとんでもない力を持つ人も居ればそこまで強力では無い力を持つ人も居ます、ちなみに私も才人ですよ」
「そうなのか!?どんな力を持っているんだ?」
「私はその人の才能を見ることが出来るんですよ〜」
「それってつまり…」
「そうです!!私が見れば才人も一発でわかります!!後で属性と一緒に見てあげますね」
「頼んだよ、リラさん」
するとリラさんは何か思い出した様な顔をして
「そうだ、貴方の名前を決めなきゃ行けませんね、思い出せましたか?」
「いや…思い出せてない」
「そうですか…では私が決めてあげましょう!!」
「えっ!?」
「そうですね…うーん…」
真剣に俺の名前を考えてるリラさんを止められる訳も無く…
「決めました!!貴方の名前はファイ、ファイ・クロワールです!!これで決定てすね!!」
「ファイ・クロワール…」
「えぇ!!ファイはルドラ教国の聖書で火、クロワールは同じくルドラ教国の聖書で信じる・思うって意味があります、ファイは貴方の炎の様な赤い目にそっくりですし、クロワールは私からのおまじない見たいな物です、記憶が戻る事を信じてます」
「あぁ…ありがとう決めてくれて、俺は今からファイ・クロワールだ、改めてよろしくリラさん」
「リラで良いですよ、ファイ!!」
小話『容姿』
「なぁ俺の目って赤いのか…?」
「そう言えば鏡見てませんでしたね…炎の様な赤い目に髪色は銀…では無いですね灰色の方が近いかもしれません」
「リラは綺麗な金髪に瞳も金色だよ」
「えぇ!!知ってますとも!!髪の手入れは欠かしてませんからね!!」
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