蝗帷・槭?邂ア蠎ュ②
「これは……。」
階段の先に広がる光景を見、レオンがそう声を漏らす。
階段を降りた先に広がっていたのは、ダンジョン内には不釣り合いなほど荘厳な、どこか神聖さも漂う大きな部屋だった。壁は細かな装飾が施されており、ここまで辿り着いた者を祝福するように、休憩用の安全地帯まで用意されている。
「これは……流石に罠じゃないよね……?」
「大丈夫だと思うよ。危険は感じないし。……少なくとも、僕の予想が正しければ、だけど。」
僕はそうミリアに返しつつ、この部屋の先へ続く廊下を見る。
「……ここを調べるのもいいけど、先に進むほうがいいかもね。」
その先の気配を読み取った僕は、全体にそう提案する。
「この先、ですか……。一体何が……。」
「まあ、それは先に進んでみてのお楽しみ、ってことかな、この感じだと。危険な感じはないし、進んでみようか。」
僕の言葉に全員が同意したことを確認し、僕たちは先へと進んでいく。
── しかし、何だろうなこの感じ……。何かを測られてるような……。
僕がそんな違和感を感じつつ先へ進んでいくと、やがて僕たちは1つの部屋に辿り着く。そこには4つの宝箱が置かれていて、それぞれが光を放っている。
「……。」
僕はそれを見、他の3人の様子を確認する。
「多分、それぞれ引き寄せられる宝箱があるんだよね?」
「うん。私は一番右のやつかな。」
「私は左端ですね。」
「……俺は右から二番目だ。」
「やっぱり、それぞれ違う宝箱か……。……とりあえず、開けてみよう。」
そして僕たちは各々宝箱に近づき、それを開ける。
── これは……
宝箱から出てきたスキルの書に鑑定スキルを発動した僕は、その結果に驚くことになる。
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スキルの書(重力魔法・最上級)
重力魔法のスキルの書。
使用すると、全ての重力魔法が使用可能になる。
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── 嘘でしょ!?今まで1冊しか見つかってないスキルの書、しかも最上級!?見つかってたのって確か低級だったよね!?
その結果に内心冷や汗をかきつつ他のみんなを見ると、ミリアは剣、レオンは盾、トウカは僕と同じくスキルの書を手に持っていた。
「とりあえず、罠は無かったわけだけど……。……とりあえずそれ、見せてもらっていい?」
僕は他の皆に聞き、許可を得た上で再び鑑定スキルを発動する。
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青龍ノ剣
四神が1柱、青龍の力が込められた剣。
決して刃毀れすることはなく、使い手の技量次第であらゆるものを斬ることがてきる。
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玄武ノ盾
四神が1柱、玄武の力が込められた盾。
使い手の技量次第であらゆる攻撃を防ぐことができる。
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スキルの書(氷魔法・最上級)
氷魔法のスキルの書。
使用すると、あらゆる氷魔法が使用可能になる。
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── やばかった!想像以上にやばかったよ!!
僕がその鑑定結果を伝えると、皆僕と同じく驚いた様子を見せる。
「そんなすごいのこれ!?」
「ギルドに報告……いえ、こんなものはあっても争いの元か……。」
「だけど、報告しないわけにもいかないですし……。」
「……多分、ミリアとレオンのやつに関しては僕以外はよっぽど鑑定できないと思う。」
「何で?」
「今詳しく見てみたんだけど、鑑定スキルのレベルが6以上じゃないと見れないらしいからね。」
鑑定スキルのレベルはHP、MPを除いたステータスの中で一番大きい数字の桁数と同じだ。ステータスが6桁を超えてる人なんてそうそういないでしょ。僕がそう思って事実を伝えると、
「たしかに、それなら安心たね。」
「ああ。ステータスが6桁の存在なんて、余程のことがないと会うことはないからな。」
「……でも、それが見えたということは……。……もしかしてお兄ちゃんって……?」
「あ、言ってなかったっけ?最近DEXが6桁超えたんだよ。」
僕がそう言うと、
「そんな何でもないことみたいに言うことじゃないと思うんだけど……。……まあ、お兄ちゃんらしいって言えばらしいか。」
と、苦笑しながらトウカは返す。
「で、こっちをどうするかだけど……。」
「正直、使ったほうが安全ではあるよね。」
「うん。なんなら"隠蔽"でもしておけばよっぽど見られないでしょ。」
という話し合いの後、僕とトウカはスキルの書を開く。
【確認しました。スキル 重力魔法 を獲得しました。】
「……さて……。これで宝箱の件は終わったわけだけど……。」
僕は部屋の壁の方を見ながら言う。
「
そう言って僕は、四方に置かれた像を指差す。
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