収集
翌日。僕は早速ダンジョンを訪れていた。目的は魔術を集めること。
── うーん、ギルドで受けた依頼のことも考えると、とりあえずは20階層の平原エリアが狙い目かな。ここなら結構バランス良く魔術も取れそうだしね。それに何より、ここでだけ出現するライトニングブルは積極的に倒していきたいなぁ。なんて言っても雷魔術の魔導書が手に入るかもだし。
そう考えつつダンジョンに入ると、僕は早速大穴に向かう。
── 周囲に人の気配はなし!それじゃあ早速、20階層に向かいますか。
そうして僕は、ぴょんと大穴にに飛び込む。風を切って落ちて行きつつ、僕は糸を使って動きを制御していく。
【確認しました。スキル 立体起動 を獲得しました。】
おっ。なんかスキルを獲得した。早速使ってみるか。そう思いスキルを発動すると、周囲に魔力の波が広がったかと思うとどう動くとどうなるのかが手に取るように分かる。
── いいなこのスキル。戦闘中でも使えそうだ。
そんなことを考えつつ、僕は一気に第20階層まで向かう。
やがて20階層にたどり着いた僕は、早速目当てのモンスター達を探し始める。
──えーっと……、この階層で見ておきたいのは、バーニングレオとアクアエレファント、ウィンドホークにアイアンモール、あとはライトニングブルの5種類か。じゃあ早速探しに行こう!
── 全然見つからない……。
十数分後、僕はがっくりと膝をついていた。
── この階層、戻るときは一気に駆け抜けたから分からなかったけど、めっちゃ広い……。こんなところで目当てのモンスターだけを見つけるのは無理だ……。
事実僕はこれまで何体かのモンスターと遭遇はしたものの、目的のモンスター達とは一回も出会えていない。まあ、依頼が達成できそうなのはよかったけどさぁ……。
(そうだ、ねえナビィ。)
僕は呼びかける。
【どうかしましたか?】
(ナビィってさ、新しいスキルの創造って出来る?)
【そうですね……。
(それじゃあさ、こんなスキルって作れる?)
── 数分後 ──
【確認しました。スキル 探知 、並びに 気配察知 を獲得しました。】
よしっ!これで勝てる!僕は目当てのスキルが出来たことを確認し、内心で大きくガッツポーズをする。今回作り出した 探知 のスキルは、自分の魔力の波を薄く広げていくことで相手や障害物、周囲の地形なんかを把握できるスキルだ。もう似たようなスキルはあるかもだけど、それに関しては
( 探知 の方は分かるけど、 気配察知 って?)
【はい、 探知 の仕組みを応用し、周囲の生命体の位置及び動きを感知することに特化させたスキルです。】
これは良いスキルをゲットできたな。これがあれば不意打ちとかを食らう可能性を減らせるんだ。いちいち発動しなきゃいけないのが面倒だけど……。
【主様、 気配察知 を含むいくつかのスキルに関してですが、私が常時発動させておくことが可能です。発動時の魔力は主様のものを使うことになりますが……。】
僕はその言葉を聞き、迷わず決断した。
(とりあえず 気配察知 のスキルだけは常時発動させておいてほしいな。)
【了解しました。】
これで不意打ちの危険性は減らせた。それじゃあ、さっきまでの続きと行きましょうか。
僕は今度こそここに来た目標を達成するために、再び歩き出した。
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