殴るから、愛。

 まず題名が素晴らしいと感じた。殴るから、愛。これから暴力をお見せします、とわからせてくれる。

 本作品の内容は典型的なだ。心理学の防衛規制の1つ。無意識の領域の内に存在する抑圧されている感情や欲求を本来のものとは正反対の感情や欲求へと変化させることによって、倒錯した形で受け入れようとする事だ。

 先生に殴られて辛かった自分を恥じた、と主人公は述べる。愛ゆえに殴っているのだという先生の言葉を信じる。殴られるから愛されている。だから殴る。愛しているから。

 殴るから、暴力。なのだろうかとふと思った。違うな。壊れるから、暴力なんだろうな。


暴力:A 読みやすさ:A 面白さ:B

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