ほのぼの
@akatanuki
第1話
暗闇の中、ただただ落下していることだけは理解できる。この速さで地面に激突すれば、普通は助からないだろう。でも、知っていた。自分にこの先の未来があることを。この闇の中、無事に着地できることを。それは、占い師である自分の日常に他ならなかった。
暁時の路地裏で2つの人影が、自分の前に立ち並ぶ。
「アサシンとサムライがこんなボロい占い屋に何か用ですか?」
自分でいうのも何だが、なんの材質かも良く分からないシートの上に座って、占いと書かれた木の看板をもっているだけの怪しい店である。
「何故、俺がアサシンだとわかった?」
「女のサムライなんてほとんどいないのに、当てずっぽうで私のジョブを見破れるわけないと思うのだけど」
これが自分と仲間たちとの出会いであり、占いで見えた闇からの脅威を回避するのに無くてはならない存在であった。
夜目が効くアサシンの指示に従いサムライが自分を掴み、安全な姿勢で着地する。2人とも相当な手練のようだ。しかし、これも占いで見た未来と変わりなく驚くことは何もない。
「ねえ、占い師。本当にこの洞窟に姫はいるんでしょうね?」
自分を担いでいるサムライが、問いかけてくる。
「間違いなく、この洞窟のあの雷マークのドアの先に姫は閉じ込められております」
アサシンがドアをそっと開くと同時に大きな声を出した。
「さがれ罠だ」
地面を蛇にの如く這ってくる数本のイカヅチが目に映る。だがしかし、アサシンは何事もなかったかのようにそのイカヅチの隙間を縫って、奥へと行き、黒い装置を破壊した。まるで、猫のように。
占いによると、その装置を破壊すればイカヅチは収まり、安全に奥へ進めるとでていた。
「今の罠は、危なかったわね。当たってたら黒焦げよ」
「知らん。アサシンに罠など、通用しない」
それからさらに奥へ進み、最奥のドアを開くとそこには行方意不明になっていた、姫がいた。
「あなたが、私を助けにきてくた王子様ですね?」
「違う、ただのアサシンだ」
「一生大切にしてくださいね?」
アサシンは姫に懐かれた。
「一応私が主に頼まれて姫を探してんだけどね、まぁいいや。あとはアサシンに任せるわ」
「知らん」
姫の話だと、姫をさらった盗賊はイカヅチの罠で自滅して全員黒焦げになってしまったらしい。無事救出できたので、皆で王都にもどることにした。
王都までは、まだ時間がかかるので途中にあるこの小さな村で、一晩休むことにした。
「アサシン、姫の護衛お願いね。私は少し外に出かけてくるわ」
返答も聞かず、サムライは宿を出る。占いによると今日サムライは、厄日だ。1人にするのは危ない。そう思い慌てて自分も宿を飛び出す。
「アサシン様。2人きりですね」
「知らん」
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