第4話 謝罪文

部下が取引先で失態をしたらしい。

幸い、取引先はまだ若手だからと寛容な心で取引やその他の契約には一切影響はなかった。

問題はそこではない。


俺は部下に始末書と謝罪文を提出するように求めた。

そうすると部下はなんとAIアプリを使って文章を作っていた。

謝罪とは自分の心や頭の中で浮かんだ反省する気持ちを文章にしてこそのものだろう。そんなものまでAIに頼っているなんて、最近の若い者は考える力まで失ってしまったのか。


そのことを見ていた部長もカンカンだ。

俺の指導不足だってことで始末書こそないものの指導改善要領と指導についての反省をまとめた書類提出しろって、災難に巻き込まれちまったもんだな。

明日までに出さねぇとうるせえし、資料室で適当な文章みつけて丸写しすればいいか。

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タイムラインから生まれた話 菊央 @pareja_dorada

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