幸運な人形師

みくろぎ

プロローグ

「また、始まってしまうのか……」


老人は、美しい人形を眺めながらふとため息をついた。


「今度は、どれぐらいの人間が死にどれぐらいの間平和が続くのだろうか……」


老人は、そんな事を呟きながらスマホを取り出し電話をかけた。


「ラキか。今度の日曜日、こっちに戻ってきてくれないか?伝えたいことがあるんじゃ」


電話を切り


「孫の時代には、目を覚ましてほしくなかったんじゃがな……」


と呟くとその場を後にした。

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