第6話 デモンストレーションをしてみた

 剣の方にしてくれとラクシャリーさんに懇願され、剣を使うことになった。

 ……的が用意されたんだが。剣でどうしろっつーの? あの的に向かって投擲するのか?

『我に魔法を使えということか?』

 のじゃロリ剣のつぶやきに俺は驚いた。

「え。のじゃロリ剣、お前って魔法使えるの?」

『変なあだ名をつけるな! ゼロエロじゃ!』

 ゼロエロも大概だけどな。

 へぇ~。じゃあ、これを装備してりゃ、俺も魔法が使えることになるのか。

「いいこと聞いた。服の洗濯よろしくな!」

『……我、魔剣ぞ? 魔剣に服の洗濯をさせるつもりか?』

 なんか言ってるけど気にしない。魔法が使えるってのは、そういうことだ。


 的までブラブラ歩いていくと、人がめちゃくちゃ後退っていく。ヤンキーに道を開けるオタクの反応っぽいんだけど。

「こういう反応、中学生以来だなぁ」

『我、こういう反応をされたことのあるお主にビックリじゃ』

 のじゃロリ剣に言われたが、中学の時はちょっとだけ荒れてたせい。そこそこ背丈タッパもあったので、もやしっ子連中に意味も無く怖がられたな。別に俺、イジメとかしないんだけど。


 的の前まで歩き、剣を抜き、振りかぶって袈裟斬り。

 スパーン! と切れた。

 うわスゲェ。正直、刃が折れ飛ぶかと思った。

「のじゃロリ……じゃなくてゼロエロ、お前って切れ味いいんだな。刃が折れるかと思ったのに的が斬れた」

 俺が感心して言ったら、

『お主、やはり魔王じゃろ?』

 って返された。

「なんで魔王なんだよ? 異世界からきたけど、向こうじゃフツーに人だったし」

 魔王推ししてくるゼロエロに尋ねた。

『我の魔法なしで、己の力のみで叩き斬るなぞ、魔王しか出来ぬぞ』

 ゼロエロが真剣に言うので否定した。

「残念だったな。俺の世界じゃフツーに出来る。ジジイにも出来る」

 俺のじいさんなら楽勝だ。

『さてはお主の世界、魔窟じゃな!』

 なんかゼロエロが言いだした。


 その後、ゼロエロが魔法も使えるから的を出せと言い出した。

 新たな的が、ビクビクしているもやしっ子魔法使いによって用意される。

『的に我を構えよ』

 ゼロエロが言った。

「剣先を向ければいいのか?」

 剣先をまっすぐ的に向けた。

『【破壊せよデストロイ】』

 ゼロエロが呪文っぽいのを唱えると、柄の装飾が光り、その光が的に飛んでいき……的に当たると木っ葉微塵に粉砕した。


『ふふーん。どうじゃどうじゃ? 我、すごかろ?』

 得意げなゼロエロに向かって聞いた。

「剣先を向ける意味ってあったのか?」

 柄から魔法が飛んでったぞ。

『カッコいいじゃろ!』

「あ、なるほどな」

 納得した!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る