ナナたん お雛様再び
オカン🐷
帰って来たお雛様
「おたいりたまとおひなたま」
「出来たあ。ナナたん、すかし顔と違うよ。すまし顔。ナナたん、こっち向いて」
涼子がスマホを向けた。
「ナナたん、おすましして。はいチーズ。このことを言うの」
「すましかお。ヘヘヘッ」
「ナナたん、いい顔するね」
米国在住のナナの家に唯一ある8畳の和室にまたお雛様が飾られた。
「おっ、もう飾り終ったのか」
「パパあ、おかえりなちゃい」
「ただいま。涼子はお雛様を見てないから何度でも飾るといいよ。ボビーも雛壇作りご苦労さん」
「じゃ、ぼくはシツレイします」
「ボビー、ありがとね」
ボビーと入れ違いに窓ガラスの向こうに隼人が顔を覗かせた。
「っ、たけんまのれんちゅうちゅるの」
「そうか、パパも見に行こうかな」
「兄さん、ご機嫌だね」
ハハハ
「あれえ」
ナナが竹馬に乗ってもグラリと身体が傾いてしまう。
「ちょっと貸してみ」
隼人は竹馬と一体になって歩き出した。
「にいたん、ちゅごい、ちゅごい。はちれる」
「ナナ、兄たんおだてたらだめだよ」
蒼一郎が慌てて止めるも、走って行った先で隼人が引っ繰り返っている。
「おい、隼人、大丈夫か?」
「ハハハ、大丈夫だよ、パパ」
大声で返事が返ってきた。
「パパ、空き缶で何作ってるの?」
「竹馬よりこっちの方が遊びやすいかと思って。ナナ、乗ってごらん」
缶の上に足を乗せ、缶に開けた穴に紐を通してあり、その紐を持って歩くのだ。
「ナナ、上手、上手」
蒼一郎に褒められて満更でもないナナ。
エへへへ
「あっ、誰か来たみたい。ゲートに行かなくちゃ。ナナたん、じっとしていてくらはいよ」
「OK、ボビー」
缶ぽっこりはすぐに乗れるようになったけど、竹馬をマスターしたいナナは兄たちのいない日もボビーに付き合ってもらい練習をしていた。
「ナナたん、動かないでって言ったのに、怪我したら怒られる、えっ、ナナたん、すごいすごい」
ナナが竹馬に乗って奥の敷地から戻ってくるところだった。
家の中から様子を窺っていた涼子が飛び出して来て拍手を送った。
「ナナたん、やったね。毎日練習したから乗れるようになったんだね。すごいよ。素晴らしい」
ナナはジャンプして涼子にハイタッチした。
エヘヘヘ
「かへによりかかったらすんない、いけたの」
「そうか、そうか。壁さん、ありがとね」
」 涼子は壁を撫でた。
すべてが愛おしく思えた。
ナナは遊び疲れたのか珍しく昼寝をしていた。
涼子はルナと山根シェフが焼いたタルトタタンでお茶をしていた。
「兄さんって雛人形に興味あったっけ?」
「違うのよ」
ルナはナナの雛人形のときの行き遅れるの一件について話した。
「それで兄さん、ナナちゃんの雛人形と勘違いしたのね。私の雛人形、何年も仕舞い込んであったから出してみたのに。ああ、可哀そう」
りょうとルナは顔を見合わせて噴き出した。
長い時間、笑い声が収まることがなかった。
【了】
ナナたん お雛様再び オカン🐷 @magarikado
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