第2話 危険な初授業
玄関の前にクラス分けの張り紙がテープで留めてあった。
確認すると、俺は2組、とっつあんは5組らしい。
「おう、また後でな!」
「うん、それじゃ!」
そう言うと、廊下で別れてそれぞれの教室に入った。
ホームルームの開始まで5分も無いくらいのギリギリの登校である。
教室は賑やかなムードで、仲良しグループが出来つつある様に見える。
んっ、もしかして早く登校した方が友達とか出来たのでは無いだろうか?
とは言え、結果論は仕方が無い。
すると、近付いてくる男が1人。
「tちゃん!」
「物井! 同じクラスだったのか、よろしくな」
「うん。仲良くすっぺなぁ!」
ドンキーコングと呼ばれるガタイが良く強面の物井、彼もとっつあんと同じく幼稚園からの幼馴染である。
出席番号の書かれた席に座り、ボーっと外を眺めていると、間もなく担任の先生が入って来た。
「みなさんおはようございます。1組担任の山田です。それでは最初のホームルームを始めましょうかねぇ」
すると次の瞬間、外側の窓ガラスが割れ、レスキュー隊の様に上級生と思われる男達が教室に入って来た。
どうやら、上の階のベランダから下の階に降りてきたらしい。
丁度窓側の席だったためガラスの破片が刺さりそうで危なかった。
「チーッス! やあやあ、新入生諸君!!」
「またお前らかッ!! 授業中だぞ、出ていけー!!」
顔を真っ赤にしつつ怒鳴る山田先生を尻目に淡々と話し始める先輩達。
みんな金髪の不良っぽい見てくれである。
もしかして、流行りなのかな?
流行に疎い俺にとっては理解しかねるファッションである。
「さてさて……、おっ!」
次の瞬間、喋ろうとしていた先輩の方に椅子が飛んで行った。
「ガラス危ねえーじゃねーかコノヤロー!!」
投げたのは物井だった。
「まあ、慌てんじゃねーよ。楽しい催しを沢山用意してやっからよ!」
「ふざけてんじゃねーぞ!!」
「生きの良い一年が入って来たもんだ。 俺等は忙しいんでね、次のクラスに行くからよ」
ひょうひょうとした態度で先輩達は教室を後にした。
「tちゃん、大丈夫か?」
「大丈夫」
「あいつら許せねー!!」
放っておけば良い気がするけど、物井に火が着いた様である。
そして、教室には怯えたクラスメイトの姿が見える。
楽しみにしていた登校日の授業がこんな風に荒れてしまうとな……。
やっぱり、先輩方に注意した方が良かったかもしれない。
僕の友達が元気過ぎる taku @leaf07
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。僕の友達が元気過ぎるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます