ネット小説

第1話作者の書きたいように

ネット界隈では誰でも自由に小説を投稿することができる。

その中から書籍化する方もおり、今の時代ではネット出身というだけでは侮ることができない存在となった。


素人が投稿できるスペースは、小説に対する世間からの敷居を下げることにも繋がる。



しかし、誰でも投稿できるため、中には感想欄が荒れる作品がある。


作品の感想欄が荒れる原因にも様々な理由がある。


挙げだしたらキリがないのでこの際は割愛…



今回の本題は、


『作者様の書きたいように書いてください!』


というコメント。



こういう人、荒れている小説のコメント欄によくいます。


まあ、小説というものは作者の書きたいことを書くからこそ小説になり得る。


私もそう思います。



ただし、それは読者が理解できないといけません。


作者がいくら「これは〜だ」と主張しても、黒が白になることはありません。



その無理が通る/許されるのは、そういう作品だと読者に認識されているから。


ご都合主義の作品でも、ご都合主義なりの美があります。


主人公は変わることはないし、ご都合主義で読者の笑いを引き出す。


それこそがご都合主義の面白さだと思います。



先日、こんな作品を見かけました。


ジャンルは現代のダンジョン配信。


主人公最強のタグも付いていました。



最初に拝見した時も、テンプレで人気を集め、癖の無い文書を書かれていたのでブックマークをしておきました。



ブックマークから数日。

その作品の1章が幕を閉じました。


それと共に、見始めた時からいいね・応援の数が激減(最高潮からは半減)しました。


理由は簡単です。

1章の後半で突然現れた人物が、唐突に悲しい過去を描写され、唐突にその原因となった犯人を殺したからです。


突如現れたとは、1章の折り返し以降に登場したことを意味します。


そして、読者(感想欄の反応含む)はこの人物にヘイトを溜めていました。


これは登場直後でこの有様です。


折り返し以前は主人公最強の王道を進み、読者の心を掴んでいたことでしょう。


しかし折り返し以後、突如現れた読者にとって悪感情の他、何の思入れのない人物の悲劇を描写し、1章完結へと走りきりました。


これで多くの読者は置いていかれました。



突如現れたヘイト役→1アウト

同情する暇もない過去語り→2アウト



3アウト目は作品の特定に繋がるので伏せますが、「はあ……」となりました。



もちろんこの作品にも、


『作者の書きたいように』


というコメントがありました。



ここでの問題は、かなりの数の読者に展開を理解されなかったこと。


その作者は最初から3アウト目を書くつもりだったようですが、かなりの読者がそのキャラにヘイトを溜めていたのもあって荒れていました。



私はヘイト人物が登場前、最強である主人公が自由を制限してくる公の組織に何故か遜った時点で、「なんか違う」と思ってしまったので、何処か冷めた目で感想欄を読んでいました。



作者の書きたいもの、それだけでは駄目なんだと思いました。

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