新学期

4月のある日

ピカピカのランドセルを背負い、集団登校の集合場所

上級生達が集まってくるのをそわそわと待っている

「まだ行かないのかな？」キラキラとした目で周りを見ている

やや冷たい風吹くなか、葉桜になりかかっている桜の花びらがひらりひらりと舞い落ちる

小学1年生となり初めての集団登校

ワクワクしている様子が誰が見てもわかる

「もうすぐだから、ここで静かに待っていようね」と声をかけるも聞こえていない様子

道路に飛び出そうなほど落ち着きがなかったため手を繋いでおくことにする

「楽しみだな〜、早く学校行きたいな〜」

きっと漫画だったら音符マークが出てきそうなほど上機嫌だ

長い学校までの道のりが待っているが、本人は楽しそうだったので黙っておくことにする

上級生達もいるから大丈夫だと思うが、つい先日まで幼稚園生だった娘が30分近くかけて学校まで歩いていくことを想像すると一抹の不安はあるがこれも成長の第一歩だからと自分に言い聞かせる

いよいよ出発の時間だ

母の手を離れ、6年生の女の子と手を繋いで歩きだす

「いってらっしゃ〜い」

大きく見えるランドセルと制服を着ている背中を見送り手を振る

長い道のり、頑張って、いってらっしゃい

家で帰ってくるの待ってるよ〜と心の中で呟き、踵を返し帰路につく

ゆーて集合場所から1分ほどの家に帰るだけなんだけど

さて、家の事しながら我が子の帰りを待つとしましょうか…