第5話 新たなる厄災

「よし、着いた。僕も中までは入ってないからどんな料理があるか楽しみだな。」


カランカランカラン


「いらっしゃいませ!何名様ですか?」


「私とクラク様の2人です。」


「お二人様ですね。では、ご案内します。付いてきてください。」


2人は店員に角にある席に案内された。


「注文が決まりましたら、お呼びください。」


そう言い店員は他のお客の下に向かって行った。

うーん、どれにしようかな。お店に来たらいっつも迷うんだよな。あ、これにしよう。


「僕はオーク肉の炒め物にしようかな。クレントは何にする?」


「そうですね。私は、クラーケンの素揚げにします。」


「了解。すみませーん!」


僕がそう言うと案内してもらった人とは別の人が店の奥の方から来た。


「ご注文はどれにしますか?」


「私は、クラーケンの素揚げで、クラク様はオーク肉の炒め物です。」


「クラーケンの素揚げにオーク肉の炒め物ですね。少しお待ちください。」


店員が厨房の方へ向かって行くとクラクはクレントへと質問をしだした。


「ところで、他の厄災たちは元気にしてる?」


「クラク様が封印される以前から生きていた厄災の皆様は全員生きておられます。ただ魔王が出現した時代から上級魔物以下の魔物たちの対応に追われ、実力は厄災の皆様方に到底及ばないのにも関わらず厄災級認定された魔物が増えました。」


「あら〜、僕のように封印することさえできなかったのか。それはまあ別にどうでもいいけれど何故僕たちに及ばない魔物共が厄災認定されたんだい?」


「少し長くなりますが大丈夫でしょうか?」


「全然大丈夫。逆に料理が来るまでの時間潰しにもなるしちょうどいいよ。」


「わかりました。では始めます。冒険者ギルドで言ったように魔王が現れた時期から魔物が強化されその力に耐えきれず暴走を始めました。元より厄災級の方々は力が増えた様子は無かったため魔王本人よりも強い力を持った魔物は強化されないと思われます。」


予想はしてたけどやっぱりその話と繋がってるのね。


「そこで人類は、その魔物の討伐に忙しくなり厄災級の魔物を討伐しようとするものが少なくなっていきました。しかも厄災の皆様方に関する資料は少なく、あまり人類に対して攻撃したりしない方々なので次第に人類は皆様のお力を忘れていきました。」


まあね〜。僕たちはあまり国を破壊したりはしようと思ってないからね。なのに、なんで僕が苦しませてきたって思っているんだろう?

人類全体に洗脳でもされてるのかな?でもそれならクレントたちが敵対しないのは何故なんだろうって話になるし。


「そして暴走し始めた魔物の中で自我を保ちその力を手に入れた魔物が現れました。その魔物たちは街を襲撃をし破壊し始めその力を危険視した国々は自我を保った魔物を厄災級に認定したため皆様方に到底及ばない厄災級魔物が誕生したわけです。」


自我を保ち大きな力を得たから増長したのかもしれないけど街を襲撃するのはだめでしょ。しかもそのせいで厄災認定されたと。僕たちは無闇に殺さないと決めてるのに。しかもその程度じゃあクレントレベルの強さの者たちにかかれば簡単に殺せるし僕たちが弱いって思われるじゃないか。


「クレントたちはそいつら殺してないの?」


「はい、殺しておりません。癪に触りますが殺してしまうとクラク様たちの力を忘れた人類は私たちが新しく厄災になった魔物共を殺してしまうとクラク様たちも殺せるかもと思う輩が出てくると思い殺しませんでした。」


「ありがとう。それとさ魔王っていうやつは今生きてんの?周りの話に耳を傾けても全くそういう話が聞こえなかったんだけども。」


「今、魔王は生きていません。クラク様が封印された後に建国されたクラ・ステンイ王国が異世界から力を持った者たちを召喚し、その者たちが魔王は殺されました。しかしながら、魔王は200年経つごとに復活をしています。その都度新しく召喚された者たちにより殺されています。」


「それってさ、ちょうど200年経つごとに復活してるの?」


「時間は分かりませんが日にちはちょうど200年経った日にちです。」


それ聞いたら絶対にあいつしか思い浮かばないな。


「クレントのおかげで魔王が何なのかわかったよ。ありがとう。」


「え、もうですか?」


「クレントもわかってたみたいだね。」


「はい、私は魔王の姿を見てからわかりました。」


「あ、見たことあるんだ。それってさ見た目は完璧に人間だった?」


「はい。ということは先の話で本当にわかったんですね。」


「お待たせしました!オーク肉の炒め物とクラーケンの素揚げです。以上でよろしかったでしょうか?」


「はい、ありがとうございます。」


「では、ごゆっくり。」


「料理きちゃったね。食べながら話すか。さっき新しく建国されたって言ってたからそれ繋がりで聞きたいんだけど僕が封印される以前からの国ってどの国が残ってるの?」


「そうですね......スルク王国とガーチャ帝国の2つの国だけ滅びましたが他の国々は今でも繁栄しています。それと厄災である双龍クルア様とクルノ様を祀った国ができました。」


あちゃー、滅びちゃったか。まあ、どっちも国としてしっかりと機能していなかったからね。それはそうと


「え!あの2人祀られてんの。なんで?」


「詳しいことはわかりませんが先ほど言った新しい厄災が襲っていたいくつかの街を双龍様が厄災を倒してその街に住んでいた者たちが祀り始め次第に広がっていき国ができたようです。」


「うわー、2人とも大変そうだね。トワナに会った後は2人に会ってみようかな。お土産持って。それと厄災の判別めんどくさいから魔王誕生後の僕たちと実力が離れている厄災を魔王厄災、それ以前の僕たちと同程度の力を持つ厄災を自由厄災と言わない?自由は僕たち色々な場所に出没するから。」


「それが良いと思います。」


「よし。これでいこう。それと、ご飯も食べ終わったし宿に戻ろっか。」


「わかりました。」


僕たちは席を立つと会計をし、宿に戻って行った。









あとがき

魔法名は英語翻訳ででた英語を振っているので突っ込まないでください!

それと前回のあとがきに「設定多く書きました」的なことが書いてあるのですが わ! た! し! が設定多く書いたなと思ったので書きました。

それでいうと今回の方がよっぽど色々なこと書いていますけど。

あと今回出てきた通り魔王が復活する前後で集団転移してきます。ちなみに神聖国レティーナ編が終わるとクラクが言った通り厄災の2人、双龍編になります。

それではまた次回!


クレント「作者様、いくら貴方様であろうともクラク様に『様』をつけないと殺しますよ。」


すみませんでした!これからはクラク様と呼ばせていただきます!


クレント「よろしい。それでは皆様また次回。」


(なぜここがわかったんだ?)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

無名の道化 ちょろちょろ @taizaitobitoku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ