気になる令嬢と燃え上がった夜に…♡

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 今夜は、令嬢と燃え上がれ♡まずは、「令嬢の転生ストーリー」が人気になる理由を知ろうじゃないか…!

 ちょっと年下の令嬢も、かわいいなあ…。

 貴族やら剣士が中心に泊まるこの屋敷の彼女に、ぐっときている。

 「私、この前、住み込みで働きにきました!えへへ…」

 彼女の声を聞くだけで、ドキドキ。

 ちなみにオレは、その屋敷にこもり、このお題で小説を書いている男子だ。

 「燃え上がるストーリー」

 ああ、令嬢…。

 彼女には、廊下でたまに会う。

 「…こ、こ、こんにちは!」

 「はい、こんにちは♡」

 「オ、オレは、小説男子です!」

 「…そのようですね♡」        

 「今オレは、異世界ファンタジー系の令嬢を主人公にしたストーリーのお題で、小説を書いていまして!」

 「そうなんですね~」

 「ええ」

 「転生物とか、人気ですものね」

 「でも…」

 「?」

 「オレ、令嬢は令嬢でも、悪役令嬢を主人公にしたような転生ストーリーばかりで良いのか悩んでいます」

 「?」

 「金持ちでわがままっぽい令嬢が転生し、持っていた財力などを使って暴れまわるのは、良いでしょう」

 「?」

 「悪役令嬢がフツーの人と同じことをすれば、役とギャップが出て痛快ですしね!」 

 「…」

 「展開が都合良すぎない?っていわれても、金持ちだから、王族などとも知り合いが多い令嬢が主人公だから何でもありですって言い返せますし…」

 「…ムカッ!」

 しまった。

 彼女を、怒らせたか?

 が、心配はいらない!

 「…うれしい♡令嬢のこと、いろいろ考えてくださっているんですね」

 彼女が、ぐいぐい押してくる!

 「…じゃあ、もっと、令嬢のことを知りたいですよね?…ですから、…その…今夜、燃えてみますか?」

 おお!

 そうして、彼女と会う約束の夜。

 「いきましょ♡」

 …はて?

 彼女の左手には、防水袋が握られている。

 右手でオレをぐいぐい引く彼女がオレを案内したのは、せまい丸太小屋の建つ小高い丘。

 しかし、驚いたのなんの。

 「さあ、燃えましょ♡」

 ザバァ…!

 彼女は、オレを小屋の中に案内するなり、バケツの水をかぶったのだ。

 身体全体が、びしょびしょ!

 「…でも、そういう姿の令嬢も良いかもな」

 「はい?」

 ひひひ…。

 ぬれた彼女も、ぐっとくる。

 彼女は、防水袋からマッチを取り出し、オレに、石油にまみれた枯れ葉や新聞紙をふりかけはじめ…。

 オレは…。

 オレは、激しく燃えました。

 オレだけ。

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