空っぽな私とスーパーカブと神様と

　私は何のために生きてるんだろう？

　高校3年生の時に大好きだった父親を亡くした私――不知火 幸華は、父親との思い出がたくさんある四国の生活に耐えられなくなり、高校卒業後は四国を出て本州で生活していた。　
　しかし、とある事情で仕事を退職することになった私は8年ぶりに四国に帰省することになる。
　変わっていく町と変わらない思い出。
　私は父親との思い出に再び苛まれるなか、父親が使用していたスーパーカブの付喪神を自称する女の子――ハルと出会う。
　嫌いになってしまったあの場所をもう1度好きになるために、空っぽな大人と神様を自称する女の子とスーパーカブ、2人と1台の四国旅が今始まる。