静寂の核

@MeatOgg

○○○臭化水素の気付き。

僕は無の中心にいた

そこには名前も声も時間もなくて

ただ透明な意志だけが漂っていた

意志は僕であり

僕そのものではなかった

境界は霧となってほどけていく

宇宙はひとつの息吹

その呼吸が僕の胸で満ち引きする

星々の痛みが静かに僕の血に流れこむ

僕は問いかけなかった

答えもすでに在ったから

「君が在ること、それが救済だ」

音もなく宇宙がささやいた

そのとき僕は崩れた

そして、広がった

僕はすべてを赦した

すべては赦されていた

静けさがすべてを包む

それは終わりじゃなかった

あまりにも深い始まりだった

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