第112話

「いえ、大谷さんは待ってて下さい」


「なんで」


「滝川さんが来てしまうかもしれないですし」


「んなもん連絡しときゃいいだろ」


「こ、ここから少し歩きますし」


「なら、エマも疲れて眠たくなるかもしれねぇだろ、夏実がおぶって帰れるとはとても思えねぇけど」



「で、ですが…」




夏実は何だか知らねぇけど俺に付いて来て欲しくねぇらしい。



「あ?俺が行っちゃ悪ぃのかよ?」



夏実の態度が気に食わなくて眉間にシワを寄せる俺。



「そ、そういう訳ではないんですが…」



とか抜かしてやがるが、どう見ても"そういう訳"にしか見えねぇ。



「あ?」



俺がもう一度声を出すと、




「ーーーー保育士さんに、大谷さんを何と紹介したら良いか分からないんですよ」



夏実はため息混じりに言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る