第96話

「かっ」


「か?」



「飾り付け、片付けんの手伝おうと思ってよ」


「飾り付け、ですか?」


「ああ、今朝、届かなくてコウキにやってもらってたろ。」


「そうですね」


「だったら外せねぇんじゃねぇかと思ってよ。」



「でも、もう遅いですし…」


「まぁ、そうだけど…」



だよな。オカシイよな。こんな言い訳。



ーーー情けねぇ。



黙り込む俺。



そんな俺を暫く見ていた野々村夏実は、

顔を覗かせる程度に開いていた玄関のドアを大きく開けると




「…良いんですか?」



と声をかけてきた。



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