第41話

「わ、悪りぃ…」



俺が言えたのはその一言だった。



「謝る事は無いですよ、私から切り出した話ですし、かなり昔の話ですから」



なんと言ったらいいか分からず髪を掻く俺に、野々村夏実は心底大丈夫だと言うような声色で言った。



「いや、母子家庭なのは何となく分かってたけど、父親が死んでるとは思わなかった」


「離婚してる家庭もありますからね。」


「あぁ、俺んちみてぇに離婚してなくても別居状態の家もあるしな。」


「ーーそう、でしたね。」


「ああ。」



今度は野々村夏実が気まずそうな顔で言った。



「俺も慣れてっから気にしなくていい。本当に。」



ので、俺も心底大丈夫だと言うような声色で返した。

野々村夏実は「はい」と呟きながら、エマのものであろう小せぇ靴下を丸めて畳む。




ーーーーん?



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